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岩石強度とビット摩耗状態のリアルタイム評価法

 − 坑井(こうせい)掘削の高度化を目指して −

特許 第3918058号(出願2003.6)

1.目的と効果

 地下深部に達する坑井の掘削においては坑底の状況(ビットの摩耗状態など)を正確に把握することが困難なため、ビットの脱落などの坑内トラブルが生じて掘削作業の遅延やコストの増大を引き起こします。坑井掘削中に坑底の岩石強度とビット摩耗状態がリアルタイムで評価できれば、地層に適した掘削条件の設定による掘削速度の増大や、的確なビット交換などによって坑内トラブルの防止が図れます。これらは、坑井掘削の能率向上やコスト削減に寄与します。

[適用分野]
 ● 石油井の掘削
 ● 地熱井の掘削
 ● 学術ボーリング

2.技術の概要、特徴

 以前から坑底の岩石強度やビットの摩耗状態を評価するパラメーターが提案されてきています。しかし、これらのパラメーターは岩石強度とビットの摩耗状態の両者の影響を受けるため、データの解釈を慎重に行う必要がありました。そこで、摩耗状態の異なるローラコーンビットと強度の異なる岩石を用いて行った室内掘削実験から得られたデータを基に、岩石強度とビット摩耗状態の評価に適したパラメーターを検討しました。その結果、ビットの摩耗状態の影響が小さい岩石強度の評価パラメーター(岩石の掘削強度:Ds’)と、岩石強度の影響が小さいビット摩耗状態の評価パラメーター(無次元有効トルク:Ted)を見いだしました。両パラメーターは坑井の掘削中に得られるデータから評価できます。

3.発明者からのメッセージ

 上記のように、従来の岩石強度やビット摩耗状態の評価パラメーターは両者の影響を受けるため、片方のパラメーターがほぼ一定の条件で適用されなければならないなどの制約がありました。この特許で提案した両パラメーターは相互の影響が小さいという長所があるとともに、坑井の掘削作業において比較的簡便に適用できるものです。今後、この技術を適用することによって、坑井掘削の能率向上とコスト削減に寄与することを目指しています。

図1 図2
特許の適用想定図 岩石の掘削強度を表わすパラメーター(Ds')
(記号は左図参照)

地圏資源環境研究部門
PDF(1.2MB:産総研 TODAY Vol.9 No.09 p.17)

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