1.目的と効果
殺虫剤などの人への副作用が心配されるのは、昆虫などの無脊椎動物と人などの脊椎動物が同様の薬剤感受性をもっているからだと考えられます。この発明では無脊椎動物の電位依存性カルシウムチャネルタンパク質の薬剤感受性が脊椎動物のそれと異なることを利用します。この方法により、人など脊椎動物には作用せず昆虫など無脊椎動物にだけ作用する殺虫剤などの一次スクリーニングのスピードアップなどに貢献できると考えられます。[適用分野]
● 農薬
● 殺虫剤
● 動物薬
2.技術の概要、特徴
無脊椎動物ヤリイカの電位依存性カルシウムチャネルは、人を含む脊椎動物の電位依存性カルシウムチャネルに作用する薬剤などには感受性がなく、ショウジョウバエの電位依存性カルシウムチャネルの活動を抑制するクモ毒PLTX−Uにのみ感受性があることを発見しました。このことは無脊椎動物の電位依存性カルシウムチャネルには共通の薬剤感受性があることを示唆しています。ヤリイカの電位依存性カルシウムチャネルに作用する薬剤は、無脊椎動物、少なくとも昆虫と軟体動物に作用することが予想され、殺虫剤や農薬などの研究開発に応用できると期待されます。3.発明者からのメッセージ
この発明は、一般の食卓にも並ぶ海産無脊椎動物のヤリイカを用いた神経機能に関する分子レベルの研究から誕生しました。同様の特許は、アメリカのショウジョウバエのチャネルを利用したものが知られています。無脊椎動物の電位依存性カルシウムチャネルを常時利用できるところは世界でも多くありませんので、この発明を利用して新しい薬剤開発に貢献できればと思っています。![]() |
| ヤリイカの電位依存性カルシウムチャネルの種々の薬剤に対する感受性 無脊椎動物ヤリイカの電位依存性カルシウムチャネルは人など脊椎動物のそれに作用する薬剤などには感受性がなく、クモ毒であるPLTX−Uによってのみ抑制される |

