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共役系オリゴマー液晶

 − 液晶性と光電子物性を併せもった有機化合物 −

特許 第3968434号(出願2003.04)

1.目的と効果

 液晶性分子は流動性と配向性を併せもつため、分子の向きがある方向にそろった薄膜などを容易に作製することができます。近年、共役系ポリマーと同程度の有効共役長をもったオリゴマーが光電子機能材料として注目されていますが、このようなオリゴマーによって形成される液晶は、オリゴマー骨格上に非局在化した電子の構造だけでなく、分子の向きや液晶相の構造によって光電子物性を制御できる高機能性材料として期待されています。この発明は、ベンゼン環とアセチレン(三重結合)を交互につないだフェニレンエチニレン系オリゴマーにおいて、液晶性を示す化合物を提供します。

[適用分野]
 ● 有機デバイス
 ● 光電子機能材料
 ● 有機半導体材料

2.技術の概要、特徴

 オリゴマー骨格はカップリング反応(ソノガシラ反応)によって容易に形成することができます。反応にはヨードベンゼン化合物とアセチレン化合物を用いますが、これらは既存の文献の方法に従って合成することができます。この発明のオリゴマー液晶化合物は、図の合成スキームに従って収率よく合成できます。この発明において、液晶化合物が最も流動性の高いネマチック相のみを形成するのは特徴的です。化合物1は143〜210 ℃の温度範囲で液晶相を形成します。化合物2の液晶相は、100〜137 ℃と、化合物1よりも低い温度範囲で形成されます。液晶相形成の温度は末端鎖の長さなどによって制御することができます。

3.発明者からのメッセージ

 液晶性オリゴマー化合物を合成する際、側方アルキル鎖の選び方は重要なポイントです。側鎖が短すぎると、化合物の有機溶媒に対する溶解度が低くなってしまい、精製が困難になります。また、液晶相を形成する温度が高くなり、分解してしまう場合もあります。側鎖が長すぎると、液晶相が消失することが予想されます。側鎖の長さだけでなく、数や位置も液晶相形成の重要な因子です。フェニレンエチニレン系オリゴマーの骨格は直線的であるため、分子設計上のよいモデルと考えています。

図
化合物1、2の合成スキーム

ナノテクノロジー研究部門
PDF(1.1MB:産総研 TODAY Vol.9 No.08 p.21)

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