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高多孔質シリカキセロゲルの製造方法

 − 水蒸気や各種有機ガスを捕集する新規多孔性材料 −

特許 第4019142号(出願2003.3)

1.目的と効果

 この特許は、吸着剤や断熱材として有用なシリカキセロゲル(三次元的な網目構造をもつシリカ)の製造を目的としています。この特許により、高比表面積(最大で1205 m2 / g)かつ平均細孔径が1 nm前後のシリカキセロゲルを得ることができます。得られるシリカキセロゲルは、ベンゼン、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)や水蒸気の吸着材として利用することができます。

[適用分野]
 ● VOC吸着材・センサー
 ● 水蒸気吸着材

2.技術の概要、特徴

 この技術は、層状粘土鉱物を一時的な支持体として用います。まず、粘土の層間を界面活性剤によって広げ、その層間にケイ素化合物を吸着させます。吸着後、ケイ素化合物は、加水分解・重合することにより、ポリシロキサン(シリカ重合体)を形成します。ポリシロキサン形成後、さらに酸処理を行うことによって、粘土鉱物中の無機イオンおよび界面活性剤を溶出します。

 溶出後、無機イオンや界面活性剤によって占められていた部分が細孔化し、三次元網目構造を形成します。この製造法により合成されたシリカキセロゲルの比表面積は、最大で1200 m2 / g程度に達し、高比表面積をもつメソポーラスシリカ(MCM−41;比表面積1070 m2 / g)に匹敵します。また、その平均細孔径は1 nm程度で、ゼオライトと同程度の細孔径をもっています。さらに、同様の細孔サイズをもつゼオライト(例えば、ベータ型ゼオライトの比表面積は600−700 m2 / g程度)より高い比表面積を示します。

3.発明者からのメッセージ

 この方法により、比較的簡便に高多孔質のシリカキセロゲルを得ることができます。また、ケイ素化合物を選択することにより、シリカに多種の有機官能基を導入することが可能で、吸着させたい分子に応じて、さまざまな吸着性を付与することができます。

図1 この特許の製造法により得られるシリカキセロゲルの(a)生成プロセスと(b)電子顕微鏡写真
合成されたシリカキセロゲルは、出発物質である粘土鉱物の形態を反映し、板状の形態を若干残している。
図2 シリカキセロゲルとほかのシリカ系材料との比較
この製造法により合成されたシリカキセロゲルの比表面積(1205 m2 / g)は、高比表面積をもつメソポーラスシリカ(MCM−41;比表面積1070 m2 / g)に匹敵する。また、その比表面積は、同様の細孔サイズをもつゼオライト(ベータ型ゼオライト;比表面積 690 m2 / g)より高い。

コンパクト化学プロセス研究センター
PDF(1.6MB:産総研 TODAY Vol.9 No.07 p.27)

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