1.目的と効果
火力発電の熱効率を上げるためなど、現用のニッケル基超合金部材をより高融点のニオブ基合金部材に置き換える手法が近年検討されています。これまでのニオブ基合金は高温での耐酸化性が非常に劣るという欠点をもっており、耐酸化コーティングが必須であるとされてきました。この発明の3層構造ニオブ基合金用耐酸化コーティングは大気中1400 ℃まで使用できることから、ニオブ基合金を超高温用構造材料として用いるための有用な手段になると期待できます。
[適用分野]
● ロケットのノズル
● 火力発電用耐熱部材など
2.技術の概要、特徴
これまでのニオブ基合金は1000 ℃以上の温度での耐酸化性が非常に悪く、耐酸化コーティングが必須であるとされてきましたが、1300 ℃以上の高温大気中で長時間利用できるコーティングは全く開発されてきませんでした。私たちは、化学蒸着法の一種であるパックセメンテーション法などを組み合わせて3層構造のコーティングを作製しました。外側からMoSi2−2wt%SiO2層、B添加Mo5Si3−5wt%SiO2層、Mo−Nb−Si三元系合金層の3層被覆Nb基合金が大気中1400 ℃で優れた耐酸化性を示しました。3.発明者からのメッセージ
ニオブ基合金は超高温用構造材料の候補として1960年代ごろから利用が検討されてきましたが、耐酸化性に優れる合金が開発されず、ほとんど実用化に至っていません。この発明による3層構造ニオブ基合金用耐酸化コーティングは大気中1400 ℃まで耐えることができるため、このコーティングをきっかけに、ニオブ基合金の超高温用構造材料としての応用が進むことを期待しています。![]() |
![]() |
| 3層構造ニオブ基合金用耐酸化コーティングの断面組織写真 | 高温で保持したコーティング済みニオブ(Nb)基材の質量変化 |


