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高温高圧水による有機化合物の連続酸化法

 − 水を媒体としたグリーンな超高速プロセス −

特許 第3911562号(出願2002.09)
特許 第3955948号(出願2002.09)

図
反応の例

1.目的と効果

 有機化合物の酸化法は各種存在しますが、この発明の方法は、高温高圧水を用いて瞬時かつ連続的にシクロアルカン類からシクロアルカノン類を製造することや、アルキル置換芳香族化合物から芳香族カルボン酸を製造することを可能にします。この手法では、金属触媒などを用いずに、例えばシクロヘキサンから、1秒以内で、シクロヘキサノンが収率約14 %で得られます。また、トルエンの場合、わずか5秒以内で、安息香酸に酸化することができます(収率約80 %)。この発明の方法は媒体が水であり、シンプルでコンパクトかつグリーンなプロセスの構築に有効です。

[適用分野]
 ● 化学工業全般、排水処理、グリーンケミストリーなど

2.技術の概要、特徴

 この発明の技術は、バッチ式および流通式の両方に適応可能な、高温高圧水条件下におけるシクロアルカン類あるいは、アルキル置換芳香族化合物の酸化法です。高温高圧条件(200 ℃以上、5 MPa以上)、特に亜臨界、超臨界条件下の水を媒体とする酸化法で、酸化剤には、酸素、過酸化水素のほかに、硝酸あるいは硝酸塩を用います。特徴として、クロムやマンガンなどの金属触媒を用いる必要がなく、特に流通式の場合では、わずか数秒の反応時間で目的物を得ることができます。そのため、反応場自体を非常に小さくコンパクトにすることができます。また、水だけを媒体とするため、廃棄物を少なくでき、生成物が水に難溶性である場合は分離も大変簡便になるため、プロセスのシンプル化にも有効です。

3.発明者からのメッセージ

 多種多様な化合物への適応が可能です。特に超臨界水には、多くの有機化合物(特にハイドロカーボンなど)を溶解させる性質があるため、水媒体にも関わらず有機媒体と同様に反応を行うことができます。

図
高温高圧水流通式反応システム

コンパクト化学プロセス研究センター
PDF(912KB:産総研 TODAY Vol.9 No.05 p.14)

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