1.目的と効果
この発明は、イオンと色素の相互作用を利用して、溶媒の存在を色が変化することによって検出する可逆的なセンサーとして有用な新しい機能性複合無機固体材料を提供します。この材料は、その無機ホスト骨格中に固定化された色素の状態を溶媒の有無によって制御でき、逆に、色素の状態変化から溶媒の有無を判断できることから、例えば、可逆的発色センサーや可逆的溶媒センサーとしての応用が期待できるものです。使用するイオン、色素および溶媒の選択自由度にも優れています。[適用分野]
● 可逆的発色材料
● 可逆的溶媒センサー
2.技術の概要、特徴
この材料は、無機固体材料(無機ホスト)のナノメートルサイズの空間などに、イオンと色素および溶媒を含有するものです。この機能材料は、イオンと色素の相互作用が溶媒の有無などによって変化し、色素の発色状態を制御できます(図1)。すなわち、溶媒の存在下ではイオンあるいは色素は溶媒に取り囲まれ、イオンと色素は相互作用することができません。一方、溶媒がない場合、イオンと色素が相互作用できるようになります。しかもこの相互作用は可逆的に行われるという特異な性質を有します(図2)。したがって、この性質を利用することにより、無機ホストに固定化された色素の状態の変化を溶媒の有無によって制御でき、さらには色素の状態の変化から溶媒の有無を検知することができます。3.発明者からのメッセージ
「無機ホスト」、「イオン」、「溶媒」、「色素」の組み合わせにより色素の相互作用を自由に変化させることが可能です。色素−イオン間相互作用、イオンへの溶媒の吸着力がさまざまなイオン種、溶媒種で異なることを利用し、「無機ホスト」、「イオン」、「溶媒」、「色素」の組み合わせを選択することで、色素の種々の発色状態、もしくは種々の溶媒吸着による色素の変色条件を作り出すことが可能となります。また、重金属を含まないため、環境に優しい材料です。![]() |
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| 図1 乾燥前後のゼオライト/ニトロアニリン類複合体とその光吸収スペクトル | 図2 溶媒吸着および色素変色のメカニズム |


