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フッ化物イオンの簡易定量法

 − 水中の微量フッ化物イオンを、簡単かつ迅速に定量 −

特許 第4058522号(出願2003.11)
関連特許(登録済み:国内1件、出願中:国内3件)

1.目的と効果

 この発明は、水溶液中に微量に存在するフッ化物イオンを、簡単な操作で、高感度かつ迅速に定量する方法を提供します。この方法によれば、水中の微量フッ化物イオンを、常温で迅速に目視判定により定量することができます。この方法は、用いる試薬が水溶液中で長期間安定であるため、半導体工業、表面処理工程から排出されるフッ化物イオン含有排水や地下水中の微量フッ化物イオンの定期的なモニタリングや簡易定量に適しており、きわめて実用的価値が高いと考えられます。

[適用分野]
 ● 工程管理、環境計測、排水処理

2.技術の概要、特徴

 この発明は、水溶性で化学的に安定なジルコニウム(Ⅳ)錯体が、ピロカテコールバイオレット(PV)と多核三元錯体を形成して水溶液中で濃い青紫色を示すこと、この水溶液にフッ化物イオンを加えるとPVとの配位子置換反応によりPVが遊離して紫色を経て赤紫色に変色することを利用しています。色の濃淡だけでなく色調の変化を伴うことで目視判定を容易にしています。すなわち、濃度不明のフッ化物イオン水溶液にジルコニウム(Ⅳ)錯体とPVを含む水溶液を加えたのち、pHを4から5の範囲に調整し、試料溶液の色調の変化および色の濃さ、あるいは628 nmの吸光度の減少量に基づいてフッ化物イオン濃度を求めることができます。

3.発明者からのメッセージ

 水中微量フッ化物イオンの定量を簡単に行う方法は少ないのですが、この方法は、おおよその濃度を色の変化により目視で確認できる方法であり、測定装置を用いずに容易に行える点がポイントです。フッ化物イオンのほかにも、カドミウムなどさまざまな微量の有害無機イオン類を簡易に測定できる方法を開発しており、こちらも紹介できます。

図 フッ化物イオン濃度の違いによる検水の光吸収スペクトルの変化

図
フッ化物イオン濃度の計測方法の1例
簡単な検出方法の1例を示す。各種光吸収モニターなども利用可能である。

コンパクト化学プロセス研究センター
PDF(955KB:産総研 TODAY Vol.9 No.02 p.21)

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