1.目的と効果
有機ELは次世代フラットパネルディスプレー技術として注目され、テレビや携帯電話ではすでに実用化されています。また有機ELの白色発光を利用した照明についても、実用化に向けて研究開発が盛んに行われています。現在、有機ELのさらなる高効率化が求められており、燐光材料を用いる手法が注目されています。この発明では、燐光材料として用いられるイリジウム錯体(さくたい)を高効率に製造するための方法を提供します。この製造方法を用いることで、燐光材料を高効率かつ迅速に製造することが可能になり、材料の低コスト化が実現できます。[適用分野]
● 有機EL
● 発光デバイス
● 発光センサー
2.技術の概要、特徴
この技術は、有機EL燐光材料として用いられるトリスオルトメタル化イリジウム錯体(図)の製造方法に関するものです。これらのイリジウム錯体を製造するためには、ハロゲン化イリジウムと有機配位子を直接反応させることがコスト的に望ましいのですが、これまでの技術では収率がきわめて低いという問題がありました。一方、この発明の製造方法は、溶媒の存在下でハロゲン化イリジウムと大過剰の有機配位子にマイクロ波を照射するというきわめてシンプルな手法であり(写真)、目的とするイリジウム錯体を収率良く得ることができます(収率70 %以上)。またこの手法で得られたイリジウム錯体の純度は高く、これまでネックとなっていた精製プロセスの簡略化が可能になります。3.発明者からのメッセージ
この発明の製造方法は、図の化合物に限らずさまざまなタイプのトリスオルトメタル化イリジウム錯体の製造に応用できます。反応系に大過剰に添加した有機配位子については、反応溶液から回収し再利用できますので無駄になりません。発明者はこれまでに数多くの製造ノウハウを蓄積していますので、この技術に興味をお持ちの企業からのご連絡やご相談をお待ちしています。![]() |
代表的なトリスオルトメタル化イリジウム錯体 トリスオルトメタル化イリジウム錯体は安定で高い発光量子収率を示すことから、有機EL燐光材料として使われている。またイリジウム錯体の配位子を変えることで3原色発光が可能である。 |
![]() |
![]() |
トリスオルトメタル化イリジウム錯体の合成の様子 |
|



