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ナノ粒子堆積(たいせき)薄膜による光応答型ガスセンサー

 − コバルト酸化物薄膜の色変化で一酸化炭素を検知 −

特許 第3940796号(出願2003.3)

1.目的と効果

 p型の半導体特性を示す遷移(せんい)金属酸化物の薄膜の中には、250から400 ℃の温度で一酸化炭素のような電子供与性ガスが存在すると可視光波長領域における光透過率がわずかに増加するものがあります。パルスレーザーアブレーションという手法を用いて作成したナノ粒子から構成されるコバルト酸化物薄膜は、その透過率の差がきわめて大きく、最大で60 %を越える差にも達します。この発明はこの薄膜を利用した電子供与性ガスの検知方法を提供します。

図1

図1 コバルト酸化物薄膜の電子顕微鏡写真

[適用分野]
 ● 高炉などの高温環境下での一酸化炭素濃度の検知
 ● 排ガス中の電子供与性ガスの検知
 ● 光検知による電子ノイズに強いセンサー応用

2.技術の概要、特徴

 希ガス雰囲気中でのパルスレーザーアブレーションという手法で作成するコバルト酸化物は、希ガス圧力を制御することにより20から50 nmのナノ粒子から構成される堆積薄膜にすることができます(図1)。この薄膜を空気中で一度アニーリング(熱処理)してセンサー材料とします。処理後の薄膜はかなり濃い茶色で(図2b)、この薄膜を加熱し、電子供与性ガスである一酸化炭素ガスに曝(さら)すと、直ちに薄膜の色が変化して透明に近い薄黄色に変化し(図2a)、さらに空気に曝すともとの色に戻ります(図2b)。色の変化は200 ℃程度の低温でも観測され可逆的に起こります。350 ℃に加熱して測定した波長500 nmの光に対する透過率は、1 %一酸化炭素中で85 %、空気中で18 %と大幅に変化します(図3)。このように、薄膜の色の変化によって一酸化炭素ガスを検知することができます。

3.発明者からのメッセージ

 このような大幅な色の変化は、ナノ粒子からなる薄膜でのみ観察されるきわめてユニークな特性です。今後この技術の利用を希望する企業との連携研究を進めたいと考えています。

図2
  図3

図2 一酸化炭素(a)および空気(b)暴露後の薄膜写真

 

 

 

図3 薄膜ガスセンサーの350 ℃における応答特性


ナノテクノロジー研究部門
PDF(452KB:産総研 TODAY Vol.8 No.12 p.25)

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