1.目的と効果
太陽光・風力など再生可能エネルギーを用いた発電や、発電排熱を有効利用するコジェネレーションシステムは有望なCO2排出削減手段です。これらは従来の大規模集中型電源に比べ小容量の分散型電源で配電系統に連系されますが、電力系統に大量連系すると逆潮流の発生など電力の流れが複雑になり配電線路の電圧維持が困難になります。今回の発明により、従来は独立して制御されていた変圧器タップや分散型電源の無効電力を協調的に制御することで、配電系統内の電圧調整能力を向上させ分散型電源の連系可能量を増大できます。[適用分野]
● 分散型電源、配電系統、系統連系、電圧調整
2.技術の概要、特徴
図1に示す簡略化した配電系統モデルでは、配電用変電所から全長5 kmの配電線が延びており、途中に下流側の電圧調整のためSVR(単巻変圧器)が設置されています。需要家が消費する有効電力P1、P3は負荷の需要や分散型電源の発電の変化に伴い時々刻々と変動します。有効・無効電力潮流が変わると配電線の抵抗・リアクタンスのため線路電圧(V0〜V3)も変動するので、変圧器のタップ位置N0、N2や分散型電源の無効電力Q3を調整して線路電圧を規定範囲(VlとVhの間)内に維持する必要があります。従来の制御法では各機器が制御パラメーター(N0、N2、Q3)を自端情報に基づき独立に制御します。この発明では配電系統情報監視所が情報通信線によりN0、N2、Q3を協調して制御します。独立制御では図2のように有効電力P1、P3が大きくなる重負荷時間帯に、自端電圧V3が規定範囲内なので分散型電源が無効電力Q3をほとんど出力しないなどN0、N2、Q3が適切に調整されず、線路電圧V0とV1が定常的に規定範囲から逸脱しました。これに対し協調制御では図3のように、重負荷時間帯でもN0、N2、Q3が的確に調整され、全線路電圧の定常的な逸脱を抑制しました。3.発明者からのメッセージ
上記の例では無効電力を調整する分散型電源が1台だけですが、複数台の場合にも適用できます。この発明が分散型電源大量導入の一助となり、地球温暖化防止に貢献できたら幸いです。![]() |
||
図1 簡略化した配電系統モデル |
||
![]() |
![]() |
|
図2 従来の独立制御による電圧調整を行った場合 |
図3 本発明の協調制御による電圧調整を行った場合 |
|



