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図1 イモゴライトの構造模式図 |
1.目的と効果
イモゴライトというナノチューブ状のアルミニウムケイ酸塩を吸着式ヒートポンプ用熱交換材として用いることにより、80 ℃以下の未利用低温熱源や太陽熱などから冷媒を得ることを可能にしました。さらに、水蒸気吸脱着速度を高める工夫として、チューブの長さが短いイモゴライトの開発にも成功し、より効率的な吸着式ヒートポンプ用熱交換材を提供することができます。[適用分野]
● 工場などからの未利用低温廃熱(80 ℃以下)の利用
● 太陽熱や温泉水の利用
2.技術の概要、特徴
イモゴライトは、ナノチューブ状のアルミニウムケイ酸塩であり、外径約2.5 nm、内径約1 nm、長さ数十nm〜数μmの大きさをもっています(図1)。その特異な形状と、吸着性および水との優れた親和性から、さまざまな工業的応用が期待されており、水の吸着性を利用したものとしてヒートポンプ用熱交換材・自律的調湿材料・結露防止剤などが考えられるほか、吸着性能等を利用したものとして、燃料貯蔵媒体・有害汚染物質吸着剤・フィラーなども検討されています。イモゴライトは、真空に引きながら脱気した場合には、再生温度が40 ℃程度の低温においても相当な熱交換可能量をもっており、ヒートポンプ熱交換材として優れた性能を示しています(図2)。イモゴライトのヒートポンプ熱交換材としての機能においては、水蒸気の吸脱着にイモゴライトチューブ内側の細孔が用いられていることから、イモゴライトチューブの長さを短くした吸着剤(非晶質イモゴライト)を開発し、この材料によって水蒸気の吸脱着速度を大きくすることも可能となりました(図3)。また、このようなヒートポンプ熱交換材の性能を検討するため、吸着式ヒートポンプ試験機の試作も行っています。
3.発明者からのメッセージ
イモゴライトの応用の中でも吸着式ヒートポンプにおける熱交換材としての利用は、低温熱源を用いて効率的に冷媒あるいは温媒を得ることが期待できることから、将来のエネルギー的観点からも含め重要な課題と考えています。![]() |
図2 各種吸着剤の実質熱交換量 |
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図3 各種吸着剤の吸着速度 |
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