1.目的と効果
水の分解による水素生成に用いることができる、光触媒活性の高いニオブ酸カリウムナノ粒子を短時間の水熱合成で製造する方法を開発しました。この方法で得られる粒子径が20 nm以下のニオブ酸カリウム微粒子の光触媒活性は、固相合成物に比べ2倍以上高い水素生成速度(17.7 µmol/gh)を有しています。[適用分野]
● 水素生成光触媒
● 非線形光学材料
2.技術の概要、特徴
多くの複合酸化物系光触媒は、主に複数の金属酸化物の高温焼成による固相反応法で合成されています。固相合成で得られる触媒粒子径はµmオーダーの粒子となり、比表面積が5 m2/g以下であるため、高活性化には粉砕工程などのプロセスが必要でした。一方、300 ℃以上の高温高圧の水熱条件では、誘電率が10以下となり、速度定数や平衡定数への溶媒の誘電率の寄与が大きくなります。そのため反応速度の増加と金属酸化物の溶解度の低下による大きな過飽和条件下での核生成が起り、ナノ粒子の晶析場として好適な環境を与えます。今回開発したナノ粒子は、酸化ニオブと水酸化カリウム水溶液を高温高圧水中で水熱処理して得られるニオブ酸カリウムにニッケルを担持したもので、20m2/g以上の比表面積を有する光触媒です。水熱処理を利用すると、二次の非線形光学特性を有する斜方晶ニオブ酸カリウム(KNbO3)を合成することもできます。
3.発明者からのメッセージ
流通式超臨界水熱合成法を利用すると、種々の複合酸化物ナノ粒子の合成が秒オーダーの短時間で可能です。連続合成を目指して、ナノ粒子の流通式製造についても、検討を開始しました。![]() |
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図1 種々の水熱合成条件で得られたニオブ酸カリウムの水素生成速度(Ni無担持) |
図2 ニッケル担持ニオブ酸カリウム光触媒による水の光分解 |


