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吸湿・吸水作用を制御したシリカ多孔体

 − 構造安定性が向上した吸水材、吸湿材の製造方法

特許 第3873122号(出願2002.9)

1.目的と効果

 シリカ多孔体への水蒸気の吸着または脱着の起こる相対圧を自在に制御できて、吸湿・吸水作用を損なわない有機修飾技術を開発しました。親水部と疎水部を同時に有する有機シラン化合物をシリカ多孔体表面に固定化して、高い構造安定性を持たせると同時に、固定化した親水部の吸水作用との相乗効果により、有機修飾後も毛細管凝縮現象に類似した水蒸気の吸着特性が得られました。

[適用分野]
 ● 吸湿・吸水作用を利用した機能性部材
 ● 親水的な孔内空間を利用した特殊反応場の提供

2.技術の概要、特徴

 シリカ多孔体への水蒸気の吸着または脱着の起こる相対圧は主に孔径に依存した毛細管凝縮現象によって決まります。したがって、孔径を精密に制御することで、水蒸気の吸着特性を制御することができます。さらなる機能付与を実現するための技術として孔表面に有機基を固定化する方法がありますが、有機基を修飾したシリカ多孔体では、固定化した孔表面の疎水的な有機基と吸着質との相互作用が変化することで孔表面はきわめて疎水的になります。これは、クロマトグラムのカラム充填剤などに利用されてきました。この技術では、有機修飾したシリカ多孔体の応用範囲を拡張するために、親水部と疎水部を同時に持つ両親媒性の有機官能基を孔表面に固定化することにより、水蒸気の吸着または脱着が生じる相対圧を制御できることを示したものです。このような方法で有機修飾したシリカ多孔体は、その特異な孔表面の構造を利用した吸湿および放湿作用を持つ機能性部材や特殊反応場への応用が期待できます。

3.発明者からのメッセージ

 この技術は、水蒸気の吸着特性を制御することに着目した、有機修飾技術を提供するものですが、有機官能基の化学的な設計によって、有害化学物質を選択的に吸着したり、酵素類似の反応場を提供したりすることなどが可能になるものと考えています。
図1a 図1b

図1 (左)孔径3.2 nmおよび(右)孔径2.2 nmのシリカ多孔体と有機修飾したシリカ多孔体の水蒸気吸着等温線
 *図中の数字は有機シラン化合物の添加量(修飾密度の変化と対応)

図2a 

図2 親水部と疎水部を同時に持つ有機官能基で孔内を完全に充填し有機修飾したシリカ多孔体の構造モデル

 図2b


先進製造プロセス研究部門
PDF(433KB:産総研 TODAY Vol.8 No.05 p.28)

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