1.目的と効果
ゲームや仮想世界の中では、人や動物・怪物などのキャラクターを生き物らしく動かす必要があります。しかし、大勢のキャラクターすべてについて、その身体動作を振り付けることは非常に手間がかかります。主要なキャラクターであっても、事前に用意した少数の動きの型をつなぎ合わせて動かしているのが現状です。動きが少数では単調な印象がしますし、表現できる感情の種類も限定されてしまいます。キャラクターの感情や状況に対して適切な身体動作を自動的に作り出すアルゴリズムがこの発明です。キャラクターの喜怒哀楽・年齢・動物の種類に対して最もふさわしい動作を自動的に生成し、“生きている”印象を演出できます。
[適用分野]
● ゲーム・アニメーション
● ヒューマン・インターフェース
● 仮想世界コミュニケーション環境のアバター
● 生き物型ロボット
2.技術の概要、特徴
このアルゴリズムでは、感情をストレートに表現しようとする芸術思想である「表現主義舞踊」の理論を使っています。その理論によれば、人間や動物の感情状態や成長・進化の度合いが、全身的動作のリズムと手足の動作タイミングの同期を支配しています。この関係性を守るように仮想生命体の動作を設計すれば、生きている感じを演出できます。例えば、幼い子供がとても驚いていることを表現するには、四肢の動作の伸縮を揃えて一気に力を入れよと、理論にはあります。そこでこのアルゴリズムは、喜びとして驚いているなら大の字に手足を拡げ、反対に恐れとして驚いているなら体を縮こまらせて、感情を表現します。成長や進化の度合いが進んだキャラクターに対しては、四肢を別々に動かし、複雑な筋緊張リズムを取り入れることで、賢さや意図を感じさせる動作を作り出します。
従来の技術水準では、事前に振り付けした動作しか行えず、バリエーションが少ないために飽きられやすいことや、狭い環境で動作データを再現しようとすると体が障害物にぶつかってしまうことなどが問題でした。この発明は、多自由度関節からなる身体各部で構成される身体グループに、一連の動作制御を行う制御基準信号を発生し、制御基準信号を分配して身体動作を行わせる方法を提供します。身体動作は、もろもろの条件を満たすように自動生成されますから、型にはまった単調な動きにならず、どのような身体サイズにも適用可能で、障害物条件に合わせた動きが生成できます。
3.発明者からのメッセージ
芸術理論に基づいた変わり種の発明です。感情をはっきり読み取れるかわいいキャラクターを作って、人と機械の仲立ちをさせることをもくろんでいます。
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図1 手足のまとめ方を切り替えて、成長・進化の度合いを表現 |
図2 機構が異なる体でも適用可能 |
図3 仮想世界に作った仮想生命体 |



