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超極微量の液体の採取技術

 − 液体を粒子にして自由自在に操作する −

特許 第3837484号(出願2001.9)
関連特許(登録済み:国内2件)

1.目的と効果

 省資源、環境負荷の低減効果などから、化学分析、環境計測、創薬などで利用される分析システムを手のひらサイズにまで小型化しようという研究が注目されています。これらの分析システムでは、取り扱う対象が液体や気体であるため、ポンプなどを利用して試料を流すという工程が基本となっていました。しかし、試料を流すという工程をなくさない限り、流路の物理的な制約から、分析に必要とされる試料・試薬の最低量の低減や装置自体の小型化にも限界があります。ここでは、試料である液体や気体を流すのではなく、必要最少量だけの粒子として取り出し、3次元的に自由自在に操作する方法を紹介します。

[適用分野]
 ● MicroTAS、マイクロマシン分野など、センシング試薬や微粒子を含有したピコリットル以下の超極微量の液体や気体の精密移動、分取などのマニピュレーション操作が必要とされる分野全般

2.技術の概要、特徴

 この発明は、一般的に光ピンセットとして知られているレーザ光を利用する非接触マイクロ操作技術を、フェムトリットルからピコリットル量の超極微量の液体や気体の分取に用いる方法へと応用したものです。図1に示した写真のように、微小なノズルから試料と混和しない液体媒質中に取り出したい試料溶液を1粒の液滴として射出することで、ノズル先端位置に焦点位置を設定したレーザ光で、3次元的に捕捉することができます。この捕捉された液滴は、レーザ光の焦点位置を移動することにより、媒質中を自由自在に移動させることが可能です。また、図2に示したグラフのように、射出時間、射出圧などを制御することで、ノズルから取り出す液滴のサイズ、すなわち液量を制御することも可能です。さらに、このような微小なノズルを複数個準備することで、多種類の液滴を本当に必要な最低量だけ取り出し、微小反応容器内で、合成をしたり各種の反応を起こさせるという使い方も可能になると考えられます。

3.発明者からのメッセージ

 従来、液体や気体は形のないもので、容器に入れたり、流れを制御することで定量的な取り扱いをしていました。この発明は、宇宙飛行士が、無重力下で水をこぼして、表面張力の影響で粒になる実験をしている映像を見て、思いつきました。
図1a 図2
図1b

図1 微小ノズルからのサイズの異なった超極微量液滴の取り出しと3次元操作
(a)1個を取り出し、写真右下に移動
(b)サイズの異なる2個目を取り出し、右に移動

図2 ノズルから射出する液滴の径と射出時間の関係


健康工学研究センター
PDF(478KB:産総研 TODAY Vol.8 No.05 p.26)

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