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複数トラックボール状デバイスを用いたVR入力装置

 − 仮想空間の中を歩き続けることを可能とするシステム −

特許 第3837501号(出願2002.5)

1.目的と効果

 ヴァーチャルリアリティ(VR)装置とは立体映像を提示することで、あたかも仮想空間にいるかのような感覚を観察者に与える装置です。VR装置にはさまざまな方式がありますが、観察者を取り囲むスクリーンに映像を投影する方式の場合、広い視野を実現することで高い臨場感を与えることができる反面、仮想空間内の移動に制限があるという欠点があります。この発明は新しい動作情報の入力デバイスに関するアイディアであり、これによって仮想空間内での自由な移動を可能にします。

[適用分野]
 ● アミューズメント施設
 ● ゲーム
 ● シミュレータ
 ● 人間行動解析実験

2.技術の概要、特徴

 VR装置の方式には大きく分けて2つあります。観察者が頭部に装着した軽量ディスプレイに映像を投影するもの(HMD方式)と観察者を取り囲むスクリーンに映像を投影するもの(没入型VR装置)の2つです。前者は頭部ディスプレイに装着した位置センサによって観察者の移動情報を検出し、仮想空間の描写にリアルタイムに反映することで観察者はあたかも仮想空間の中を実際に移動しているかのような感覚を得ることができます。しかし、ディスプレイサイズには限界があり、側方や足元に対して映像を与えることはできません。一方、後者は広い視野を与えることで前者にはない臨場感を与えることができる反面、仮想空間内の移動はスクリーンサイズに制限されます。今回私たちは没入型VR装置の床面に、観察者の移動距離、方向を検出するトラックボール状のセンサを敷き詰めることで、スクリーンサイズに制限されずに全方向に移動し続けることを可能にするシステムを提案しました。

3.発明者からのメッセージ

 今回提案した仕組みによってジョギングのシミュレーション、ゲーム空間の探索、遠隔会議、緊急時の経路選択行動計測などさまざまなVRコンテンツにおいて、身体を実際に動かして仮想空間と関わり合うことができると考えられます。

図1

図1 複数トラックボール状デバイスの構成図
(数メートル規模のスクリーンを前、左右、床面などに配置しそこに立体映像を投影することで広い視野角が得られる(角部分への投影のゆがみを補正する機構があらかじめ備わっている)。この発明は床面にトラックボール状の入力デバイスをマトリクスに配置することにより前後左右任意の方向への移動運動を継続し続けることを可能にする。なお、トラックボールそれぞれに荷重センサを取り付けることで、立位姿勢の方向や、歩行運動の加速度を検出することも可能になる)。


図2

図2 仮想空間の中を歩き続けることが可能なシステムのイメージ


人間福祉医工学研究部門
PDF(308KB:産総研 TODAY Vol.8 No.04 p.33)

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