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新しい水素製造方法の開発

 − 炭化水素からCO2を排出しないで水素を製造できる触媒

特許 第3837482号(出願2001.9)
関連特許(登録済み:国内1件)

1.目的と効果

 クリーンエネルギーとして、工業用、民生用に今後とも需要が期待できる水素を、二酸化炭素(CO2)を出さないで製造できる触媒を開発しました。この触媒は安価な鉄とアルカリ金属をアルミナに担持したものであり、メタンなどの炭化水素を水素と炭素に分解する機能があります。副生する炭素は分離して各種炭素材料として用いることができます。

[適用分野]
 ● クリーン水素を用いる、燃料電池、自動車、工業用表面処理など
 ● 活性炭などの吸着剤、電磁波吸収材料

2.技術の概要、特徴

 メタンなどの炭化水素の水蒸気改質反応は、通常900 ℃程度の高温下で行われ、水素と同時に、一酸化炭素(CO)やCO2が副生します。燃料電池用水素製造には、プロセスのCO2削減効果とともに、電池の白金電極(アノード)の作用を低下させないようにCO濃度の抑制が求められます。そこで水蒸気や空気を用いないで、触媒を用いて炭化水素を水素と炭素に直接分解する方法を考えました。副生物が固体の炭素ですから、水素との分離は容易で、また水素中にCOなどのガスは含まれません。触媒は、鉄をアルミナに担持させたものであり、安価です。副生する炭素は、触媒上に蓄積しますが、炭素と鉄をまとめて製鉄の溶鉱炉に投入して、鉄を再生することも可能です。また、炭素のみを分離して活性炭などのほかの炭素材料として用いることもできます。すなわち、水素製造と触媒再生をオンサイト/オフサイトで分離することにより、COを含まない水素ガスを製造することが可能です。逆に、この発明の炭化水素分解方法は、カーボンナノチューブなどの炭素材料の製造法として活用もできます。この場合には水素は副生物となります。

3.発明者からのメッセージ

 この発明により、COやCO2を副生しない水素製造プロセスを構築できます。また、カーボンナノチューブなどの炭素材料の製造方法としても活用することができます。

図
写真1

メタン分解のスキーム

分解により副生した炭素のSEMイメージ


バイオマス研究センター
PDF(952KB:産総研 TODAY Vol.8 No.03 p.31)

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