1.目的と効果
柔らかな物体をロボットなど自律したシステムで自動的に取り扱うための視覚認識技術です。対象がさまざまな形に変化しうる衣類のような場合、取り扱う時点でその対象物がどのような状態であるかを正しく把握しなければ作業が行えません。そこで対象物の変形を計算機で予測しながら観察することにより、その状態を推定します。これによって、自律システムが行える作業の幅の拡大が期待できます。[適用分野]
● ロボットの自律化
● ファクトリオートメーション
● アパレル産業システム
2.技術の概要、特徴
例えば2本のマニピュレータで衣類を取り扱う場合、基本的な作業は2本の腕による持ちかえ動作の繰り返しで実現できます。この基本動作を行うためには片方の手で把持された衣類の状態を認識し、次の把持に必要な3次元情報を得るという処理が重要となりますが、観測画像から得られる情報だけでは、衣類の状態を推定するのは困難でした。そこで、まず、空中に一点で把持された対象衣類がどのような形状となりうるかを図1のように計算機内でシミュレーションし、起こりうる形状を予測します。この予測形状に基づいて観測画像を処理することで、衣類がどの位置で把持された状態であるかを求めます。図2の左図は、トレーナを対象として、状態を推定した一例です。このように大まかな形状が推定できれば、細部形状までこまごまと求める必要はなく、例えば肩をつかむという作業の場合、予測形状の肩付近の観測情報を調べることによって、次の把持に必要な3次元情報だけを的確に算出することが可能です。図2の右図は、こうして得られた情報に基づいて実際に作業が成功した例を示しています。
3.発明者からのメッセージ
対象に関する大まかな知識をもとに形状をラフに予測し、その予測形状を効果的に画像処理に利用するところがこの技術のポイントです。
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図1 衣類の変形の予測 |
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図2 双腕マニピュレータを用いた実験例 |


