1.目的と効果
近年、多くの事故の発生によって建築物や移動体などの構造物の安全性に大きな関心が寄せられていますが、その対策には構造物に作用する応力をセンシングすることが基本です。その応力を、電気信号に変換することなく応力発光体を用いてダイレクトに光信号に変換し、光ファイバーを用いて遠隔地へ伝送することができます。従来の光ファイバーセンサと異なり、レーザー光の入射を必要とせず、パッシブなセンシングが可能です。[適用分野]
● 構造物などの応力センシングデバイス
● スイッチングデバイス
● インターフェース
2.技術の概要、特徴
応力発光体は、機械的なエネルギーにより繰り返し発光する物質です。粉末状のセラミックス微粒子であり、その個々の微粒子それぞれが力学的エネルギーを光エネルギーにダイレクトに変換するセンサであるため、nmからkmスケールの現象を検出することが可能です。また、その発光強度はひずみエネルギーの時間変化率に比例しています。この応力発光体を透明光学樹脂に混合すると、さまざまな形状に加工可能となり、光ファイバー端部に感圧部を形成すると応力発光を光ファイバーによって遠隔地点へ伝送できます(写真)。光ファイバーのもう一方の端部に発光強度や発光スペクトルなどの検出器を接続することにより、光ファイバーを伝送してきた応力発光の情報から、計測地点における応力の状況を計算することができます(グラフ)。この応力発光体を用いたセンサは、駆動するために特別の電源や光源を必要とせず、また、光によって情報を送るため電磁的なノイズの影響を受けることがありません。これまでのセンサでは設置困難な環境への適応が期待されます。3.発明者からのメッセージ
この発明は、力を光信号にダイレクトに変換する応力発光体のアプリケーションの1つで、光伝送の手段として光ファイバーを用いています。応力発光体を用いた応力センシングデバイスは、単一デバイスでナノからマクロまでマルチスケールのセンシングを実現します。![]() |
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写真 光ファイバー先端に形成された応力発光体による感圧部 |
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グラフ 作用力の検出実験結果例−ひずみゲージ式センサ出力との比較 |


