1.目的と効果
転写すべき回路パターンを多層膜基板上に描画するマスク基板において、マスクブランクス上の超微細位相欠陥を迅速に検出する検査方法および装置を提供します。これまでEUVリソグラフィーで用いられる多層膜マスクブランクスの位相欠陥を、放射光を光源とする手法で検出する研究が行われていましたが、今回プラズマを光源とする手法で、より小さな欠陥が3桁以上も速い検査速度で検出できるようになりました。[適用分野]
● EUVリソグラフィー
2.技術の概要、特徴
欠陥による散乱光を検出する暗視野法で検査を行います。散乱光を捕集する角度を調整することで、基板が持つ粗さに起因する信号を小さくして、検査したい大きさの欠陥の信号を大きくして、S/N比の高い検査を可能にします。画像検出器を用いて1度に多数のピクセルを検査することで、検査速度が速くなります。これを可能にするには、大きなフラックスで大面積を照明できる光源が必要で、点光源であるプラズマ光源からの光を、大きな立体角で捕集することで行います。EUVリソグラフィーは究極のリソグラフィー技術であると認められていますが、数年前には、多層膜マスクブランクスの検査法のないことが実用化の致命的障害になるという議論がありました。これまで放射光を光源とする検査法の研究が行われていましたが、実用化には、検査速度を3桁も大きくする必要があることが分かっていたからです。この特許技術はその問題を解決しました。放射光の3桁以上の検査速度が実現できるのは、第1に、マスクに照明できるフォトンフラックスを大きくできるプラズマ光源を用いたこと、第2に、散乱光の捕集角を最適化する設計にしたことによります。
3.発明者からのメッセージ
検査の迅速化には、プラズマ光源からのEUV光を大きな立体角で捕集することが鍵であり、本特許の製品化に向けてプラズマ光源の開発が課題として残っています。私たちは、クリーンなレーザー生成プラズマ光源(LPP)の開発も行っており、近い将来にLPP光源の供給も可能となります。![]() |
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本特許の装置で観測したプログラム欠陥の暗視野像。(Jpn. J. Appl. Phys. 45 (2006) 5359, Y.Tezuka et al.)
高さ3.5nm幅70nmまでの全ての欠陥が見えている。また、偽の信号は皆無である。 |


