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光で活性化できるペプチド前駆体:ケージドペプチド

 − 生理活性物質濃度コントロールを高度化 −
特許 第2863834号 (出願1996.10)
関連特許 (出願中:国内3件)

1.目的と効果

 光は、比較的安全に、しかも高速に、生体の目的部位を「刺激」する手段といえます。光によって生理活性を制御できる化合物を使えば、パルス状の光によって瞬間に、絞り込んだ光照射によって局所に、生理活性物質濃度の変化を起こすことができます。このような使用法が可能な化合物として、ケージド化合物が知られています。これは、生理活性物質に光解離性保護基を導入することによって不活性化した前駆体ですが、光照射により生理活性物質に転換することができます。生理活性を遮蔽(ケージ)したケージドペプチドを用いることで、系に乱流を起こさせることなく、光によって生理活性物質濃度を安全に変化させることができます。

[適用分野]
 ● 研究開発用試薬 ● ペプチド合成中間体

2.技術の概要、特徴

 生理活性ペプチドのアミノ酸残基側鎖に紫外線照射により除去可能な光感受性基を連結することによって、光感受性基を結合させた状態では活性が実質的に消失し、光を照射すると生理活性をもつペプチドに変換するケージドペプチドをつくることができました(図1)。
 この方法によるケージドペプチドは、通常の有機化学合成が可能な施設であれば十分に合成ができ、特殊な施設や装置を必要としません。生理活性を遮蔽するためのペプチドの生理活性部位は複数の残基からなることが多く、その部位の選定は困難ですが、この技術を使うことによって解決することができます。

3.発明者からのメッセージ

 この光化学反応は秒以下の時定数で進行し、生理現象に比較し「瞬時」に生理活性物質濃度を上昇させることができるので、高速の生理現象の解明や、細胞やタンパク質の微細な運動の解析に有効です。また、ケージドペプチド固相化基板を用いることによって、基板の任意の部位に、任意のタイミングで細胞を接着させる細胞接着制御への応用なども可能になります(図2)。

図1
図2
図1 ケージドペプチドのレセプター結合の光制御
図2 細胞接着制御 (写真は、基板の左半分に光刺激したもの。)


セルエンジニアリング研究部門
PDF(322.9KB:産総研 TODAY Vol.7 No.5 p.21)

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