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放電パルス計数法による単一光子検出技術

 − APDを利用して高速化と低雑音化を同時に実現 −
特開 2005-114712 (出願2004.4)
特許 第3855049号 (出願2002.3)
特許 第3774765号 (出願2002.8)

1.目的と効果

 量子暗号通信は光子1個につき1ビットの情報を載せて、多数の光子を送受信することで暗号通信を実現します。量子暗号通信の長距離化と高速化を同時に実現するためには、単一光子検出器の高速化と低雑音化が鍵になります。放電パルス計数法は高速化と低雑音化を同時に実現する単一光子検出技術です。これを用いることによって、従来法で用いられている光子検出回路の基本設計を変更する必要もなくきわめて簡便な単一光子検出技術を提供できます。

[適用分野]
 ● 量子暗号通信、レーザーライダー、バイオフォトニクスなどの極微弱光検出

2.技術の概要、特徴

 光子吸収によって生成される電子は光子1個につき1個ですが、これを何らかの方法で飛躍的に増大させることができれば、光子1個をマクロな電気信号として検出できます。アバランシェフォトダイオード(APD)を受光素子とする場合、吸収層と増倍層がセットで素子に含まれており、大きな逆バイアス電圧を印加することで、なだれ増幅が電気パルスとして検出できます。
 放電パルス計数法はAPDの容量性に起因する放電パルス(負パルス)の有無で光子検出を行い、なだれ増幅を光子検出手段として用いないことで、大きななだれの必要性を排除し、高速化と低雑音化を実現しました。APDはコンデンサーとスイッチの並列回路で等価的に記述できますが、光子吸収によりスイッチが閉じられるとコンデンサーとしての機能が失われます。放電パルスの有無でコンデンサーとしての機能をチェックすれば、結果的に、スイッチの開閉状態を知ることができます。

3.発明者からのメッセージ

 放電パルス計数法による単一光子検出技術を製品化するうえで、従来型の単一光子検出器のハードウェアを変更する必要はなく、製造ラインの変更も不要です。必要最低限のコストと時間で簡単に製品化できるメリットがあります。

図1
図1 アバランシェフォトダイオードの等価回路と光子検出装置の電気回路
図2

図2 量子暗号通信の模式図

図3

図3 放電パルスと光子検出



光技術研究部門
PDF(234.0KB:産総研 TODAY Vol.7 No.5 p.20)

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