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自己校正機能で角度誤差を出力するロータリエンコーダ

 − 角度誤差の定量的な把握で角度制御の精度を向上 −
特許 第3826207号 (出願2005.8)
関連特許 (出願中:国外1件)

1.目的と効果

 ロータリエンコーダは、角度計測や制御など多くの用途に用いる装置です。しかし出力される角度信号には角度目盛りの誤差ばかりでなく、機器に取り付けたときの軸ぶれ・偏心や経年変化及び使用環境変化を要因とするものなど、さまざまな角度誤差が含まれるという問題点がありました。今回発明したロータリエンコーダは単純な構造でありながら、使用機器に取り付けた状態でこれらの角度誤差を自分自身で検出し出力することができます。いままで検出が困難であった角度誤差を知ることにより、精度が数段向上した角度制御が可能になります。

[適用分野]
 ● 角度計測・測量・制御全般

2.技術の概要、特徴

 産総研が所有する角度の国家標準器は、国家標準器内部のロータリエンコーダと校正対象の外部のロータリエンコーダの2つに対して等分割平均法という自己校正方法を用いて同時に校正します。発明したロータリエンコーダは、これを1台のエンコーダ内部で実現することによってエンコーダ自身で角度誤差を出力することができます。複雑そうに思えますが構造は単純で、目盛り盤の周りに複数個の読み取りヘッドを、360度を等角度間隔に分割した位置に配置するだけです(図1)。それぞれのヘッドから出力される角度信号に対して等分割平均法(更に簡略化した四則演算で表せる式)を用いて解析を行います。市販されているエンコーダには、2個のヘッドを180度の位置に配置することで、偏心による角度誤差をキャンセルするものもあります。しかし、発明したロータリエンコーダはキャンセルするのではなくさまざまな角度誤差を積極的に出力します。これによって角度誤差の大きさや変化を定量的に把握することが可能になります。

3.発明者からのメッセージ

 市販されているロータリエンコーダは、角度誤差のために精度が10秒程度を限界とするものがほとんどです。発明したロータリエンコーダは既存技術で作製でき、かつ容易に1秒を超える精度を実現することが可能です。

図1
図1 自己校正機能付きロータリエンコーダの概念図

図2

図2 発明したロータリエンコーダを自己校正した場合と特定標準器を用いて校正した場合の比較。0.2秒をきる精度で角度誤差を正確に検出している。



計測標準研究部門
PDF(351.4KB:産総研 TODAY Vol.7 No.4 p.25)

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