1.目的と効果
セルロースは重要な再生資源ですが、結晶性が高く安定で、汎用樹脂のような熱可塑性を示さないために利用分野が限定されていました。セルロースと反応する官能基を微量導入したポリエチレン等を使って、単純な機械的圧力やせん断力を加えることによりセルロースと複合化する技術を開発しました。得られた複合体からは、加熱成形により強度物性に優れたさまざまな形の成形品を製造することができます。[適用分野]
● プラスチック分野 ● 建材分野 ● 紙・パルプ分野 ● 木材加工分野
2.技術の概要、特徴
木材等の主成分であるセルロースはその分子構造的な特徴から結晶性が高く化学的にも安定で、汎用樹脂のような熱可塑性も示しません。そのため、薬品を用いて誘導体化し熱可塑性を付与する方法が用いられていました。一方、セルロースと熱可塑性のポリエチレン等のポリオレフィンとを混合して加熱成形する方法では、親水性のセルロースと疎水性のポリオレフィンの性質が大きく異なるために、成形体の強度が低下します。しかし、セルロースの水酸基とエステル化反応する官能基をポリオレフィンに微量導入(0.1〜1wt%)し、粉砕のような単純な機械的圧力やせん断力を加えると、セルロースとポリオレフィンの間に効果的にエステル結合が形成されて複合し(図1)、高性能なポリマーアロイが得られます。
得られたポリマーアロイは、 熱可塑性を発現して、汎用樹脂と同様に押出成形や射出成形(図2)が可能で、その強度物性も原料のポリオレフィンよりも高い成形体が得られます。
3.発明者からのメッセージ
本技術は、おが屑やパルプ、古紙等のバイオマス資源に広く応用が可能で、製造方法も低環境負荷です。この技術により、これまで利用方法が無く廃棄されていたバイオマスを、高性能プラスチックに変換することができます。![]() |
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図1 セルロースとマレイン酸グラフト化ポリエチレンの複合化
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図2 セルロース−ポリエチレン系ポリマーアロイからの射出成形品 |


