1.目的と効果
火力発電の熱効率を上げるための部品として空冷翼があります。その性能をさらに改善するために、現在用いられているニッケル基超合金製部材をより高融点のニオブ基合金に置き換えることが検討されています。しかし、これまでのニオブ基合金は高温での耐酸化性が非常に劣るという欠点をもっていました。本発明のNb-Si-Al-Cr四元系合金は1073K〜1673KでSiO2やAl2O3の保護被膜を形成し、優れた耐酸化性を示すことから、従来のニオブ基合金などの耐酸化コーティング用材料としての用途が期待できます。[適用分野]
● 超高温用耐酸化コーティング材料
2.技術の概要、特徴
最近、省エネルギーおよび二酸化炭素排出量削減の目的から、現在使用されている火力発電用ニッケル基超合金製冷却翼をより高融点の合金製部材に置き換え、火力発電の熱効率を改善することが急務になっています。ここでニオブ基合金は融点がニッケル基合金より1000K程度高く、セラミックスに比べて室温での靭性(じんせい)に優れることから、ニッケル基超合金に換わる超高温用構造材料の一候補とされています。しかし、高温での耐酸化性が非常に劣り、実用化への大きな障害になっています。私たちは耐酸化性に優れるニオブ系合金の探索を行い、その結果、(Nb,Cr)(Si,Al)2単相からなり、組成がNb:30原子%, Si:56原子%, Al:11原子%, Cr:3原子%であるNb-Si-Al-Cr四元系合金が1073K〜1673Kでシリカやアルミナの保護被膜を形成し、優れた耐酸化性を示すことを明らかにしました。この合金は、耐酸化性に劣るニオブ基合金の耐酸化コーティング用材料などに応用することが期待されます。3.発明者からのメッセージ
ニオブ系合金は超高温用構造材料の一候補として1960年代から検討されてきましたが、これまで高温で優れた耐酸化性を示す合金は全く報告されませんでした。本発明のNb-Si-Al-Cr四元系合金は極めて優れた耐酸化性を示すため、この合金を用いることで超高温用構造材料の開発がさらに進むことを期待しています。![]() |
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図 乾燥空気中で保持したNb-Si-Al-Cr四元系合金の質量変化
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写真 乾燥空気中(左)1023K及び(右) 1573Kで120時間保持したNb-Si-Al-Cr四元系合金表面付近の断面組織
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