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多孔質材料の用途を拡げる

 − 導電性繊維と加圧を用いた新製法 −
特許 第3735712号(出願2002.3)

目的と効果

 多孔質成形体は比表面積の大きさを利用した機能性材料、軽量で衝撃吸収性があることを利用した構造材料などへ応用することができます。この多孔質成形体は、導電性を有する繊維を用いると、繊維の接触部分のみを接合させて作ることができます。この技術では、繊維を型の中で接合させると様々な形状が作製でき、用途が拡がります。耐熱性や耐食性に優れた繊維を用いたフィルター、熱伝導性に優れた繊維を用いたヒートシンク、生体適合繊維を用いた生体材料などへの応用が期待されます。

[適用分野]
 ● フィルター ● ヒートシンク ● 生体材料 ● 衝撃吸収体   

技術の概要、特徴

 この技術は、繊維径500μm以下(但し、5〜30μmを除く)で、成形体の加圧成形方向の断面における外接円の直径より長い導電性のある繊維を利用して、繊維の接触部分近傍のみを溶着した多孔質材料およびその作製方法に関するものです。導電性の繊維を型内に充填し、任意の加圧力を付与することで任意の密度(空孔率)を有する多孔質成形体を作製することができます。この技術では導電性繊維の長さを利用して、型内を充填した繊維が加圧により変形する現象と復元しようとする力により、均一な成形体を作製しています。このような成形体に電気を流すことで、繊維の接触部分近傍のみが溶着し、多孔質成形体となります。この技術では繊維を充填する際に型を用いることができるので、多孔質成形体を最終製品形状にニアネットシェイプ成形できるという特徴があります。

発明者からのメッセージ

 空隙率の小さな多孔質材料を作製する技術は種々ありますが、任意の空隙率の多孔質成形体を作製するのは困難です。私たちは任意の荷重下で通電接合を行う技術を開発し、任意の空隙率の多孔質材料の成形技術へつなげることができました。

図1 図2

1. チタンの多孔質成形体(引張試験片形状の型を利用して成形)
引張試験片を作製する型を用いてチタン繊維を多孔質成形体にしました。

2. チタン多孔質成形体(a:成形したまま、b:表面を加熱酸化して発色)
チタン繊維を用いて30mm角の多孔質板を作製しました。さらに大気酸化処理にて繊維を青く発色しました。加熱酸化を行っても多孔質成形体の変形、繊維の剥離はほとんどありません。

図2

3. 試作した銅多孔質成形体を用いたヒートシンク(a:多孔体のみ、b:無垢銅+多孔体、c:無垢銅+多孔体+コイル)
銅繊維を用いて30mm角の多孔質成形体を作製してヒートシンクへの応用を検討しました。多孔質成形体のみ(a)では熱源からの熱伝達が悪く、無垢の銅と接合してみました(b)。さらに、放熱性を高めるために、銅製のコイルを多孔質銅の上に接合してみました(c)。軽量で熱伝導性、熱放散性に優れるヒートシンクを試作できました。



サステナブルマテリアル研究部門
PDF(1037.4KB:産総研 TODAY Vol.6 No.12 p.29)

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