1.目的と効果
超高速・大容量の通信・情報処理等に利用するための究極的な高速スイッチング技術として、動作・信号処理ともに光で制御できる「光−光スイッチ」の発展が期待されています。本特許は超高速性を保持したまま、高感度に信号変調を行うことを目的とした技術で、1ピコ秒を切る高速変調と3次の非線形光学感受率5×10-8esuという高感度とを両立することに成功しました。[適用分野]
● 情報通信 ● 光エレクトロニクス
2.技術の概要、特徴
光−光スイッチでは、共鳴動作光(光−光スイッチに用いられるエネルギー準位と動作光の光エネルギーが一致している場合)を用いた高感度変調か、もしくは、非共鳴動作光を用いた高速変調の、どちらか一方の性能を向上させるのは比較的容易ですが、その両立は非常に困難で、そのための開発が現在も続けられています。ここでは、両者のトレードオフを改善するために、動作光を逆ラマン共鳴に一致させることで超高速変調を担保し、信号光を励起子共鳴に一致させることで高感度性を保持しました。さらに両者をそれぞれ微小共振器中の共振器モードに一致させることで超高速性と高感度化とを両立したまま増大させることが出来ました。同時に、動作光を導波モードとすることで外部に逃がすことが可能となり、熱効果の低減にも大きく寄与できるようになりました。ここではPICと呼ばれる高非線形光学材料である分子集合体を用いていますが、原理的には逆ラマン共鳴を持った励起子系であれば他の材料系においても適用可能です。3.発明者からのメッセージ
微小共振器をより高度に制御したフォトニック結晶の設計・作製精度の向上で、さらなる高感度化が期待でき、その面での開発を継続中です。![]() |
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図1 微小共振器を用いた光−光スイッチの概念図
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図2 微小共振器光−光スイッチの応答速度:黒線はレーザーパルス波形、青線は共振器のない時のスイッチング波形、赤線は微小共振器中でのスイッチング波形、縦軸は規格化してあり、赤線は青線の10倍の大きさを持つ。
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