1.目的と効果
高温環境や腐食しやすい環境で使用されるフィルター・触媒担体・分離膜担体などにはセラミックス多孔体が用いられていますが、熱的衝撃や機械的衝撃などにさらされる場合が多いため、高い気孔率、優れた流体透過性などの特性とともに優れた強度が求められます。通常、気孔率が高くなると強度は低下しますが、粒子間の結合を強化することによって、これらの相反する特性を両立させることが可能になりました。[適用分野]
● フィルターや触媒担体、分離膜担体など
2.技術の概要、特徴
セラミックス多孔体の粒子間の結合を強化する方法としては、セラミックス原料の高温処理中のその場反応を利用し、粉末間の反応を活性化することで、粒子間の結合(ネッキング)を促進させる方法があげられます。例えばドロマイトとジルコニアを原料にして焼結すると、熱分解したドロマイトの反応により、強固な3次元粒子ネットワークを有し、気孔径が極めて均一な高強度セラミックス多孔体が得られます(図1)。また、一軸加圧しながら通電するパルス通電焼結法などでは、急速昇温や粒子間の局所過熱により、微細な粒子組織を維持したまま粒子間の結合を促進させて、高強度の多孔体を作製することもできます(図2)。さらに、セラミックス多孔体の粒子や気孔の寸法、形状、配向性、分布などを制御することにより、強度の向上とともにセラミックスの欠点である脆さを克服することも可能になってきています。3.発明者からのメッセージ
多孔体は一般的に強度が低いという欠点がありますが、本技術はセラミックス多孔体を高強度にし、信頼性を確保するもので、セラミックス多孔体の用途拡大を推進するものです。![]() |
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図1 その場反応合成による CaZrO3/MgO 多孔質複合材料。強固な粒子間結合を有する3次元ネットワーク構造により、強度は気孔率50%で約40MPa(通常多孔体のほぼ倍)。極めて均一な気孔径が特徴。
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図2 パルス通電焼結によるアルミナ系多孔体の微細組織と通常焼結とを比較した強度。強固なネック成長(左図の矢印)により、強度の大幅な向上が可能。
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