1.目的と効果
ポリアミド4は、2 -ピロリドンを開環重合することにより合成される生分解性高分子材料です。これまでは直鎖型ポリアミド4を汎用材料として開発するという観点から研究が行われてきました。私達は従来の直鎖型ポリアミド4とは異なる展開を目指して物性の改質や機能性の付与をすることを目的に、高分子鎖中に様々な特殊構造の導入を試みてきています。それら一連の研究の中で、高分子鎖中に分岐構造を導入することによって分岐型ポリアミド4を開発し、力学特性の1つである引張強度を直鎖型ポリアミド4よりも大きくすることに成功しました。[適用分野]
● 環境関連材料(包装資材、自動車部品、電気電子部品、機械部品)
2.技術の概要、特徴
ポリアミド4は、1.物性的側面からは、融点が高く(265℃)、引張強度もポリアミド6(80MPa)に匹敵するほどの大きさを持つこと、2.環境的側面からは、生分解性があり、発酵法により原料が得られること、3.合成的側面からは、室温以下でも重合可能であり、開始剤が高分子鎖内に分解されることなく取り込まれるため様々な特殊構造(反応性官能基、生理活性物質、etc.)を導入できること、等の特徴があります。本技術では合成的側面に着目し、2 -ピロリドンの開環重合において、多塩基酸塩化物を開始剤として使用することにより分岐構造を導入しました(図1)。分岐構造の導入によって、直鎖型ポリアミド4と比較して、同程度の分子量範囲では引張強度を大きくすることができました(図2)。この分岐型ポリアミド4は開始剤濃度により、分子量の調節が可能であり、標準活性汚泥により直鎖型ポリアミド4と同様に生分解されます(図3)。3.発明者からのメッセージ
この分岐型ポリアミド4は高融点・高強度ですので、エンジニアリングプラスチック分野に加えて、従来のポリエステル系生分解性高分子材料(ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等)とは異なる分野での応用が可能であると考えています。実用化を目指して企業の方との共同研究を希望しています。![]() |
|
図1 特殊構造として高分子鎖中に分岐構造を有するポリアミド4
|
![]() |
|
図2 直鎖型および分岐型ポリアミド4の引張強度と分子量の関係
|
![]() |
|
図3 標準活性汚泥中での分岐型ポリアミド4の生分解率の経時変化
|



