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透明導電基板生産に向けた新技術

 − 高品質単結晶酸化亜鉛の高速製作 −
特許 第3607944号 (出願2001.2)
関連特許 (登録済み:国内1件 国外1件 出願中:国内3件 国外3件)

1.目的と効果

 高品質酸化亜鉛は透明であり、かつ発光素子や光発電素子としての機能を有する材料です。照明や発電、省エネルギーなど生活に密着して役立つ製品の源として期待されています。私達は、液化オゾンを用いることにより高品質単結晶酸化亜鉛の高速製作を可能にする技術を開発しました。

[適用分野]
 ● ビルや住宅の照明 ● 窓材 ● 照明用発光素子 ● 薄型ディスプレイ ● 光発電素子
 ● 紫外線画像センサー ● 紫外線受光素子

2.技術の概要、特徴

 酸化亜鉛結晶は、高品質になるほどその機能が大きくなる材料ですが、高品質な酸化亜鉛になるほどさまざまな装置(超高真空装置、高温装置、プラズマ装置、高出力レーザー装置)の導入などが必要になり、その製作も複雑化します。高品質酸化亜鉛は亜鉛純度が既に99.99999%に達しているため、製作技術の鍵は、酸素の反応性に起因する純度、酸素供給法および亜鉛−酸素間結合結晶化メカニズムに絞られます。分子酸素では反応性が低いため、従来高純度酸素をプラズマ化しそこで生成されたラジカル酸素を供給していました。しかしラジカル酸素の直接供給は反応性が高く、結晶生成表面での分子運動(マイグレーション)を促進させる技術が難しかったのです。これを克服したのがこの技術の特徴で、まず零下183℃という低温の液化オゾンを、既に結晶化した部分を壊すことなくソフトに到達させます(図)。次にオゾン分子と亜鉛原子の結合過程において結晶化分子が結晶化表面を運動し、凹状のエネルギーが低い表面を見つけて、その窪みを埋めるように整然とした単結晶を形成していきます。この分子運動は非常に重要ですが、一般に結晶化のための温度を上げていくと再蒸発が顕著となり、分子運動が阻害されてしまいます。
 この技術ではオゾン分子を使用するため分子間作用により高温まで分子運動が保持されるため、高い温度で高品質の酸化亜鉛結晶が得られるようになりました。また、液化オゾン装置の進歩で液化オゾンの大量供給が可能なため、非常に高速で高品質の酸化亜鉛結晶が製造できるようになりました。

3.発明者からのメッセージ

 液化オゾンの大量供給による高速大面積結晶成長性を活かして、大面積高品質透明導電膜の製造や大面積照明発光素子用透明導電基板などが実現できれば、大面積で薄型、壁型、窓型の照明やディスプレイなどの幅広く社会に役立つ応用製品が期待されます。

図
図 酸化亜鉛の高速高品質結晶化のメカニズム


知能システム研究部門
PDF(212.3KB:産総研 TODAY Vol.6 No.5 p.33)

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