1.目的と効果
光通信の分野では今後の大容量化・高速化に向けて、より高速な光スイッチング素子の開発が期待されています。高分子系二次非線形光学材料はその有力候補の一つでありますが、熱的・時間的耐久性に問題があるとされてきました。私たちは、長期にわたって安定に特性が維持でき、加工性にも優れた二次非線形光学高分子を新たに開発しました。
[適用分野]
● 電気−光スイッチング素子 ● 電気−光情報記録素子
2.技術の概要、特徴
二次非線形光学材料は、電場によって屈折率が変化する電気光学効果を示し、光通信分野でのスイッチング素子や、近年、次世代記録デバイスとして注目されるホログラム材料などへの応用が期待されています。特に有機高分子系材料はスピンコート法、インクジェット法などの手法を用いて簡便に各種基板上に作製することが可能であり、プロセス上優位であるものの、その二次非線形光学能の経時的安定性に問題がありました。経時的安定性は活性中心部位の熱的配向緩和が原因であり、ポリイミドのような熱物性に優れた高分子でその抑制が確認されているものの、ポリイミド系材料は加工性に問題も多く、その改善が期待されていました。この様な問題に対して私たちはアクリルアミド系高分子がその解決に重要であることを見い出しました。アクリルアミド系高分子は各種有機溶媒に可溶でありながら、ポリイミドと同等の耐熱性を有しており、加工性と長期安定性の双方を満足する材料です。
3.発明者からのメッセージ
光通信分野での光スイッチング素子は、長期にわたって使用されることから材料の長期安定性は重要です。本技術はその解決の一助足りうると期待しております。また、近年盛んに研究されている大容量ストレージであるホログラムディスクの書き換え可能型ディスクへの適用も期待されます。
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アクリルアミド系二次非線形光学高分子の応用が期待される分野の概念図
(a)電気光学的光スイッチング (b)リライタブルホログラムディスク |


