1.目的と効果
現在、分子を使ったデバイス開発に向けての研究が活発に行われています。しかし、ランダムな分子の動きが誘起された場合、与えたエネルギーの散逸につながりますので、分子の動きを安定にシンクロさせるプログラム設計が必要です。この技術は、可逆的に結合可能な非共有結合(水素結合)を用いて、電子ドナーとアクセプターを一次元方向に会合させ効率よく光誘起電子移動させることを可能にしました。
[適用分野]
● 分子デバイス ● 分子センサー ● 分子材料 ● 分子プログラム
2.技術の概要、特徴
分子デバイスの必要条件の一つに、特定の分子をセンシングして電気を流す応答機能性があげられます。センシングには非共有結合が用いられますが、その相互作用は弱いので分子の動きを十分に抑えることができませんでした。フェノールのオリゴマーであるカリックスアレーンは、劣化しにくい安定性と多機能な超分子性から、種々のインターフェースとして利用されています。この技術は、カリックスアレーンに電子ドナーであるポルフィリンを化学修飾し、カリックスアレーンが持つ複数の水素結合を用いて電子アクセプターを捕捉し安定な会合体を形成させ、効率よく電子ドナーからアクセプターへ電子が移動することを可能としました。更に、カリックスアレーン誘導体は、フラーレンと会合体を形成するピンセット機能、さらには特定の金属イオンに対して高い選択性を示すことから、分子・イオンセンサーとしての用途もあります。3.発明者からのメッセージ
ナノテクノロジーは、これまでにない新製品を生み出す基盤技術です。しかし、明確な市場の出現にはまだ時間を必要とします。いま、ベークライトのミニ版であるカリックスアレーンの超分子ポテンシャルの学術的啓蒙は終焉となり、新産業創出への試金石としての活用が望まれる段階を迎えています。![]() |
|
図 複数の水素結合でキノン分子を捕捉し、シンクロさせることにより、効率の良い光電変換システムが再現できます。
|

