1.目的と効果
粒子系材料(エポキシなどの樹脂とフィラーなどの粒子との複合材料で、粒子割合が6割程度以上のもの)は、半導体のパッケージや絶縁パッキン材、化粧品まで、幅広く利用される材料系で、任意の製品形態に成形できることが、重要な材料特性です。私たちは、複合粒子というものを調製することによって、従来通り樹脂と混ぜるだけで成形性を高め、しかも従来の常識的な粒子設計法を覆す易成形性を実現しました。
[適用分野]
● 半導体のパッケージ ● 放熱部材 ● 絶縁用パッキン ● 充填シール剤 ● 化粧品(パウダーファンデーション) ● 医薬品 ● 打錠剤 ● 吸入製剤
2.技術の概要、特徴
複合粒子とは、原料粉体よりも粒子径分布がシャープで(図1)、原料粉体の表面にナノ〜マイクロメートルレベルの微粒子を付着(複合化)させたものです(図2−b)。従来の粒子調製法と比較するため、同じ粒子径分布を持ち(図1)複合化していない試料も調製しました(図2−c)。半導体パッケージを成形するときの代表的な条件(剪断速度(角速度)が200〜400s−1)で、粘性係数を指標として成形性を比べました(図2中の表)。その結果、微粒子を付着させた材料では、原料粉体の倍近くの易成形性の実現が確認されました。これまで、即ち粒子径分布がシャープなほど低成形性になるとされてきましたが、事実、この実験の比較例はそうなっています(図2−c)。
この結果は、半導体パッケージ成形時に、複合粒子を構成する微粒子が分離し、粉体間に分散して充填性を高めたり、樹脂との親和性が改善されたことによると考えられます。
3.発明者からのメッセージ
この発明は、プラスチックの中で粒子が良く分散するよう、あらかじめ複合粒子として仕込んでおくという技術で、半導体のパッケージ以外に、放熱部材、絶縁用パッキン、充填シール剤、化粧品(パウダーファンデーション)、医薬品、打錠剤、吸入製剤などへの応用も期待されます。
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図1 粒子径分布:原料粉体、複合粒子(本発明)、比較例(複合化はせず、しかし複合粒子と同じ分布を有する試料) |
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図2 原料粉体、複合粒子(本発明)、比較例の複合粒子設計法を示す電子顕微鏡写真と、成形性の結果 |


