1.目的と効果
土壌の形態変化など環境に多大な負荷を与えない汚染土壌の原位置浄化を目的として、効率的な汚染土壌の無害化処理に有用な酸化触媒系を開発しました。酸化酵素を模倣した鉄ポルフィリン錯体などの触媒を土壌に散布することにより汚染土壌中の有機塩素化合物が40−50%分解されましたが、これに泥炭フミン酸を加えると分解率が60−70%に増加しました。
[適用分野]
● 有害有機化合物で汚染された土壌の原位置浄化
2.技術の概要、特徴
これまで、汚染土壌に直接浄化剤を散布し有害有機化合物の分解を試みた例はありません。この方法では、鉄ポルフィリン錯体(Fe(III)−TPPS)あるいは鉄フタロシアニン錯体など酸化触媒の水溶液を有機塩素化合物(例えばペンタクロロフェノール(PCP))の汚染土壌に散布しただけで47%の除去率を得ました。さらにそれだけでなく、それに泥炭フミン酸のような低腐植化度の腐植物質を加えることによって除去率を65%にまで向上させることに成功しました。また、従来行われてきたフェントン反応のように土壌を回収する必要もなく、使用する触媒は、量も汚染物質と同程度で、無害な物質ですから、低環境負荷型の原位置浄化法の確立に資するシステムのひとつと位置づけられます。さらに、これまで主として土地改良剤として利用されてきた泥炭に、環境浄化剤としての価値を付加できるものです。3.発明者からのメッセージ
本技術はFe(III)−TPPSのような触媒に泥炭フミン酸を加えた新たな酸化触媒系で、汚染土壌中の難分解性有機塩素化合物を原位置で無害化するものです。現在、さらなる浄化率の向上を目指しており、PCBなどへの応用に対して共同研究を行うことができます。
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図1 鉄ポルフィリン錯体の例とそれによる有害有機化合物の酸化機構 |
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図2 ペンタクロロフェノール(PCP)汚染土壌の浄化試験結果 |


