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共重合による生分解性プラスチック

 − 3-アルコキシ-1, 2-プロパンジオールを利用した制御法 −
特許 第3521231号 (出願2001.11)
関連特許 (登録済み:国内2件・国外2件、出願中:国外2件)

1.目的と効果

 環境に優しいプラスチックとして種々の生分解性プラスチックが開発されていますが、その中でもポリブチレンサクシネート(PBS)はポリエチレンに似た優れた性質を持つことで、注目されています。私たちは、このPBSに種々の3-アルコキシ-1, 2-プロパンジオールを少量共重合させ、そのアルコキシ基の鎖長を選択することにより、その弾性率や伸度などの機械的性質及び生分解性速度を制御できる方法を開発しました。

[適用分野]
 ● 農業用マルチフィルム  ● ゴミ袋  ● コンポストバッグ  ● 食品包装資材  ● 日常雑貨

2.技術の概要、特徴

 コハク酸、1、4-ブタンジオール及び3-アルコキシ-1, 2-プロパンジオールの共重合により生分解性ポリマーを合成する反応式を下に示しました。

反応式

 反応は、常圧での脱水を伴うエステル化反応と、減圧下でのエステル交換反応による高分子量化の二段階からなります。分子量は重量平均分子量で10万以上に達し、融点は100℃以上です。3−アルコキシ−1, 2−プロパンジオールの添加量が増えるに従い、ポリマーは柔らかくて伸びやすくなり、農業用フィルムなどに適した物性を有しています。この反応の大きな特徴は、アルコキシ基の鎖長を選択することにより、生分解性速度の制御が可能なことです。下図に示すように、メチル基のような鎖長の短い基では、添加量が増えると生分解性速度が速くなります。一方、オクタデシル基(C18H37-)のような鎖長の長いプロパンジオールを用いると生分解性速度を遅くすることができます。

3.発明者からのメッセージ

 少量の3-アルコキシ-1, 2-プロパンジオールを共重合させることで、PBSの機械的物性や生分解性を制御することが可能です。また、種々の3-アルコキシ-1, 2-プロパンジオールは、エピクロルヒドリンとアルコールを反応させることで容易に合成することができます。

図

図 Rがメチル基(MPD)及びオクタデシル基(OPD)のPBS共重合体の土壌分解テスト



環境化学技術研究部門
PDF(230.2KB:産総研 TODAY Vol.5 No.7 p.40)

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