1.目的と効果
高い光触媒機能を有しながら、希望する色に発色させることで、材料としての価値を高めることを目的として、周期的な開口を有する光触媒薄膜層と空隙層の多層膜の構造とその製造方法を考案しました。この技術では光触媒効果に侵されない素材で光触媒薄膜層を支えて誘電体多層膜構造を実現しているため、有効接触面積を増大させつつ、その効果を半永久的に持続させることができます。また、構造性の発色を実現することで、あざやかな発色効果を得ることにも成功しました。[適用分野]
● 気体や液体に清浄効果を持たせる電化製品や宝飾品など
2.技術の概要、特徴
TiO2などでできた短冊状の光触媒物質薄膜層と、光触媒薄膜層よりも細い短冊状のSiO2などでできた支持物質薄膜層を交互に積層した多層構造体を形成し、この多層構造体を複数配列することを構造上の特徴とする光発色部材です(図1)。この多層構造体は、スパッタリングなどによる多層薄膜形成の後にドライエッチングやウエットエッチングによって支持物質を適度に除去することで実現します。空隙のある多層膜構造とすることで、光触媒が接触する表面積を従来の光触媒材料に比較して大きくとれるために、より高い光触媒効果が期待できます。また、光触媒層と空隙層の光学的層厚を発色光波長の1/4ずつにすることによる光干渉効果と、配列された構造体による回折格子効果により、金属光沢を持つような鮮やかな発色を実現できます。この発色の色や分布は触媒層と空隙層の間隔や、構造体の配置周期を変更することによって設計することができます。3.発明者からのメッセージ
南米のモルフォ蝶は、色素なしで鮮やかなコバルトブルーに発色する羽根を持っています。この鱗粉の構造を工学的に光触媒材料で実現したものです(図2)。共同研究先や技術移転先を求めております。
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図1 構造性発色光触媒部材の構造とその断面図 |
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図2 モルフォ蝶の羽と構造性発色材料の比較 |


