1.目的と効果
近年、食品や医薬品、化成品等の製造分野では遺伝子組換え微生物の利用が盛んですが、冷蔵庫のような低温条件下でも使えるものは限られていました。そこで、常時低温・高圧下にある深海底に目を向け、得られた低温を好む微生物の中から有用な遺伝子組換えツールを見出しました。本製品を用いることで、低温性酵素等を効率よく高い収率で生産することが可能になります。また、深層水をそのまま用いた低温発酵等も可能となります。[適用分野]
● 食品 ● 医薬品 ● 酵素利用 ● 環境浄化 ● 深層水利用
2.技術の概要、特徴
本発明の環状二本鎖DNAプラスミドpPS1M2は、日本海溝深海底由来の低温性海洋細菌の中から分離されたもので、これをベクター(有用な遺伝子を入れて運ぶ運搬車のようなもの)とする遺伝子組換え技術により、低温性酵素等を効率よく高い収率で生産することが可能となります(図参照)。これまでの類似製品に比べかなり小型であるため、有用機能遺伝子を効率よく導入し目的物を生産することが可能です。また、宿主を低温性海洋細菌にすることにより、深層海水を希釈することなくそのまま用いた物質生産・変換プロセスや低温高圧下でのバイオプロセスの構築が可能となります。未利用バイオマス資源の有効利用や低温下あるいは低温・高圧下で高付加価値を生み出す医薬品製造プロセスの構築、寒冷地での効率的な物質分解・環境浄化システムの構築など、様々な用途への応用が期待されます。3.発明者からのメッセージ
低温発酵(低温下での物質生産・変換プロセス)や低温加圧発酵の世界は、広大な海と同様にまだ多くの可能性や利用性を秘めています。新しい高付加価値製品の創出や用途の拡大に、本製品が広く利用されることを期待しています。
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図 本製品と低温細菌を用いた低温下での有用物質生産(低温高圧下でも可) |

