1.目的と効果
オゾンは強力な酸化剤として知られており、例えば水中に微量存在するだけでも殺菌などの効果があります。そのようなオゾンを90%以上の高濃度に濃縮するとその酸化力は極めて大きくなり、例えば半導体産業の主要な材料であるシリコンを、従来法よりも400−500℃も低温で酸化することができるなど、数々の優れた効果を発揮します。一方、オゾンは高濃度のままでは人体に有害であるため、排気ガス中の残留オゾンは充分に分解・希釈して排出する必要があります。これまでは数%以下の低濃度オゾンに有効なオゾン分解装置しかありませんでしたが、本研究では、銅などの金属の酸化の平衡状態を利用して高濃度オゾンを効率よく分解する方法とその装置を開発しました。[適用分野]
● 高濃度オゾンプロセス(シリコン低温酸化、金属表面・内壁の不動態化など)の排気ガス処理等
2.技術の概要、特徴
技術の概要、特徴 低濃度のオゾンは専用の触媒によって充分に分解することができますが、高濃度では触媒の能力が低下してしまう問題があります。本研究で開発した技術では、遷移金属が複数の酸化状態をもち、雰囲気の酸化力に応じてそれらの状態の間の平衡を可逆的に行き来することを利用して、酸化数が高い状態では低濃度のオゾンを分解し、酸化数が低い状態では高濃度のオゾンを分解するというものです。一例として銅を利用した場合、低温では酸化第二銅(CuO)となって低濃度オゾンを分解できるのに対して、高温では酸化第一銅(Cu2O)となってより高濃度オゾンを分解することができます。3.発明者からのメッセージ
産総研発の高濃度オゾンの利用技術は、さまざまな先端産業において従来プロセスと置き換わっていくことが期待されています。本技術は高濃度オゾンがプロセスで使われた後に排出されるガスを分解無害化するために開発されたものです。
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図1 反応する温度によって、複数の酸化状態を行き来して、効果的な分解を行う触媒 |

