1.目的と効果
従来の分析機器は、高価であるうえに大きな設置スペースが必要であり、データ取得に手間や時間がかかるなどの問題点がありました。また、従来のガスセンサーの研究は、金属酸化物など酸化還元反応を利用した感応膜を用いられていましたが、作動温度が高くて、室温の検出が難しく、環境センサーとして一般に感度が不十分でした。この技術は、周期的なナノサイズの細孔構造と高い比表面積を有するナノポーラス酸化物の、半導体デバイスとの融合によって得られたもので、環境汚染ガスであるNO、NO2などをppb-ppm の範囲で、コンパクト、かつ簡便・迅速な検出が可能なガスセンサーを開発するのに利用できます。
[適用分野]
● 機能性多孔質薄膜 ● ガスセンサー ● 分析機器
2.技術の概要、特徴
界面活性剤のミセル構造を超分子鋳型として利用し、ゾルゲル反応によりシリカを、そのミセル表面上にフレームワークとして生成させ、分子鋳型を焼成除去することによりナノポーラス薄膜を作製しました。均一かつ3次元的に数ナノ細孔を有するナノポーラス薄膜を金属−絶縁体−半導体(MIS)デバイスと融合して、新型表面光電圧(SPV)ガスセンサーを開発しました。このガスセンサーでは、室温におけるppb-ppm範囲で、NOx(NOとNO2)のセンシング機能を確認しました。選択性能をアップするために、ナノフレームワークに触媒効果を有する遷移金属酸化物(SnO2, WO3, V2O5etc)を導入し、特定の有害化学物質に対して特異的な認識能を与えることも可能です。
3.発明者からのメッセージ
センサー、分析などに関して、ナノテクノロジ、ナノポーラスの特徴を生かした新型環境検出素子技術開発を目指した産業化のために、現在、共同研究先と技術移転先を求めています。
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ナノポーラス薄膜を利用した表面光電圧型ガスセンサーのイメージ図 |

