1.目的と効果
耐熱性ポリマーは、その使用条件が厳しくなるにつれ、より高度な性能を要求されつつあります。しかし、従来の有機ポリマーでは限界があるため、本来的に耐熱性の高い無機ブロックを導入した有機・無機ハイブリッドポリマーを合成し、その可能性を試験しています。本研究では、特に、有機ケイ素ポリマーに注目し、耐熱性が期待できるオクタキス(シルセスキオキサン)ブロックと、ジイン、ジエン等不飽和二官能性有機モノマーのヒドロシリル化共重合により、高機能な有機・無機ハイブリッドポリマーを開発しました。
[適用分野]
● 耐熱膜 ● 絶縁膜 ● レジスト膜 等
2.技術の概要、特徴
オクタキス(ヒドリドシルセスキオキサン)(T8)と1,3−ビス(フェニルエチニル)ベンゼンの共重合体(T8−ジイン)は、熱重量分析TGAで窒素中5%重量減温度( Td5)が1000℃を超え、また空気中Td5が584℃と、高い熱安定性を持つもので、有機溶媒可溶であり、スピンコート等で薄膜とした後、熱硬化することにより、密着性の良い硬い透明膜となります。この膜は吸湿性が無く、比誘電率は2.4〜2.6の値を示します。また1,3−ジビニル−1, 1, 3, 3−テトラメチルジシロキサンとの共重合体(T8−ジエン)は、100℃程度の融点を示し溶融成型が可能であり、いったん硬化した物は融解しなくなります。耐熱膜、絶縁膜、レジスト膜等の用途を期待しています。
3.発明者からのメッセージ
本ポリマーは高い耐熱性と溶媒可溶性を併せ持つ、特徴あるポリマーと考えています。ポリマーの合成法は確立していますが、共同研究等によって用途開発をして下さる方を募集しています。
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図1 T8−ジイン及び関連ポリマー |
図2 T8−ジインの熱重量分析 |
図3 T8−ジインの比誘電率 |

