1.目的と効果
特定の銀イオン担持無機化合物に電子線を照射し、アスペクト比(直径に対する長さの比)の高い銀ナノワイヤを連続的に結晶成長させる技術を提供します。本技術は、水環境浄化のための環境ホルモンを伴わない抗菌技術を開発する過程で偶然に発見された成果です。銀はすべての金属の中で最も電子をよく通し、熱を伝えやすい性質を持っているとともに、ナノサイズの銀や銀イオンは優れた抗菌性を示します。銀ナノワイヤは、これらの特性を生かし、半導体分野(電子デバイス材料)や環境分野(抗菌材料、触媒材料)への応用が期待できる素材です。[適用分野]
● 半導体分野(電子デバイス材料) ● 環境分野(抗菌材料、触媒材料)
2.技術の概要、特徴
本技術は、マイナスの電荷を有する電子は通さず、プラスの電荷を有する銀イオンが内部を自由に動き回れる構造を持つ無機化合物を前駆体として使用します。この前駆体に電子線を照射することにより、直径が数〜数十ナノメートル、長さが数十マイクロメートルの銀ナノワイヤを容易に生成させることが可能です(写真)。 また、生成条件を変えると、無機化合物の表面に銀ナノ粒子を形成させることもできます。現在、本手法で得られている最も長い銀ナノワイヤのアスペクト比は3000以上にもなり、ナノ繊維ともいうべき銀ナノワイヤです。今回の手法は連続的に銀を紡糸できるところに特徴があり、効率的な製造技術になるものと期待できます。3.発明者からのメッセージ
今後は、銀ナノワイヤの成長制御技術の確立、他の金属への応用に関して研究を進め、金属ナノワイヤの特性を生かした環境分野等への応用を目標にしています。研究を更に進展させるために、現在共同研究先を新たに募集しています。
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写真 電子線照射により得られた銀ナノワイヤ (a)SEM写真 (b)TEM写真 |

