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マルチカロチノイドとDHAを含有した油脂の製造法

特許第3511093号(出願2001.3)
関連特許(出願中:国内2件 国外1件

1.目的と効果

 海洋微生物により、ドコサヘキサエン酸(DHA)などの高度不飽和脂肪酸とアスタキサンチンなどのカロチノイドを含有した油脂を製造する技術を提供します。本特許のラビリンチュラ類の海洋微生物は、青色光を照射しながら培養するとアスタキサンチンの他、カンサキサンチンとヘノコキサンチンなどを含むマルチカロチノイドを効率よく生産できます。
[適用分野]
 ●機能性食品、食品添加物、養殖餌料
 ●廃水処理(ヒ素など)、窒素などの富栄養化物質の除去

2.技術の概要、特徴

 天然の抗酸化剤であるアスタキサンチンはオキアミやズワイガニの殻から抽出されていますが、含有量が極めて低い上に抽出条件が難しい、あるいは安定した原料確保が困難であるなど、工業生産には不向きでした。また、微細藻類のヘマトコッカスを用いた生産方法もありますが、強い光が必要であり特殊な培養装置が必要でした。私たちは、瀬戸内海の海洋微生物を研究してきたなかで、アスタキサンチンとDHAを多く含有するスラウストキトリウム属などのラビリンチュラ類海洋微生物を発見しました。このラビリンチュラ類海洋微生物の増殖特性とカロチノイド類の生産特性を解明してきたなかで、LED青色光を与えるとバイオマス量とカロチノイド生産量を大きく増加させることに成功しました。エネルギー消費が少ないLED青色光の照射下で酸素に富んだ海水で培養することにより、アスタキサンチンとDHAに富んだ油脂が効率よく生産されます。また、これらの油脂を抽出するのに超臨界炭酸ガス流体を用いる方法も成功しております。

3.発明者からのメッセージ

 ラビリンチュラ類海洋微生物の大量培養の開発を目指し、共同研究先・技術移転先を求めております。また、この微生物はカロチノイド類の生産以外にも、窒素やヒ素を含有している排水処理にも応用できると期待しており、新しい応用分野についても共同研究を行うことができます。

図1

図1 橙色の培養細胞と、その電顕写真

図2
細胞の大きさ約10µm、細胞内の黒点にアスタキサンチンが含まれる
図2 マルチカロチノイド生産量とバイオマス量への光の影響


循環バイオマス研究ラボ
PDF(830.7KB:AIST TODAY Vol.4 No.11 p.37)

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