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ケテンイミン化合物の簡便な合成方法
  新規複素環化合物の出発原料

特許第3407040号(出願2000.7)
関連特許(登録済み:国内2件、出願中:国内2件)

1.目的と効果

 本研究は、ヘテロクムレン類と総称される化合物類のひとつであり、合成中間体あるいは縮合剤として有用なケテンイミン化合物の安全かつ簡便な合成法の開発をめざしたものです。その結果、種々の置換基を持つチオアミド化合物を出発原料として脱硫化水素反応によりケテンイミン化合物を効率よく合成することができました。得られましたケテンイミン化合物は、ヘテロクムレン化合物としての性質を持っていますので、種々の求核試薬と反応して誘導体を与えるだけでなく、環状付加反応により複素環化合物を与えます。
[適用分野]
 ●医薬品・農薬の中間体
 ●脱水縮合剤

2.技術の概要、特徴

 従来、ケテンイミン化合物は、アミド化合物を出発原料としてホスゲンや水銀塩などの有害物質や危険物質を使った脱水反応によって合成されていました。また、不安定で爆発性のあるケテン化合物を出発原料としてホスフィンイミン類との脱水縮合反応からも合成することができます。そこで、ケテンイミン化合物の合成にあたって、これらの危険性を回避するために、安全で簡便な合成方法の研究を行いました。今回の技術においてはチオアミド類を出発物質として、環状ハロイミニウム塩を反応させることにより、ケテンイミン化合物を簡便に合成する方法を開発いたしました。ケテンイミン化合物は通常不安定なものが多いのですが、今回合成したケテンイミン化合物は置換基の種類によりますが、再結晶により精製できるほど安定なものもあります。
得られたケテンイミン化合物は、環状付加反応により複素環化合物を与えます。シアナミド類との反応によりキナゾリン誘導体を、イナミン類やエノールエーテル類との反応によりキノリン誘導体を得ることができます。

3.発明者からのメッセージ

 本技術を用いることで、簡便な方法でケテンイミン化合物を合成することができます。ケテンイミン化合物から誘導される複素環化合物も含めて、活性試験用のサンプルを産総研MTA(Material Transfer Agreement)契約により提供することができます。

図

図 ケテンイミン化合物の合成と複素環化合物合成への応用



環境化学技術研究部門
PDF(855.1KB:AIST TODAY Vol.4 No.8 p.37)

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