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コンパクトな有機性廃水バイオガス化装置

特許第3472816 号(出願2000.11)
関連特許(出願中:国内1 件)

1.目的と効果

 有機物のメタン発酵(嫌気性消化)は、メタンを主成分とするバイオガスに変換できることから、エネルギー回収型廃水・廃棄物処理として注目されるようになっています。本法では、食品工場等の有機性廃水処理に多く用いられるようになってきている、グラニュールという固定化微生物を利用した高効率処理技術であるUASB(上向流嫌気性汚泥床法)装置について、固液分離に濾材を用いることにより、処理槽を大幅にコンパクト化することを目的としています。生物系廃棄物を物理化学的又は生物的前処理により可溶化し、その脱離液を嫌気性消化する場合も同様に処理の対象となります。本法では、処理槽内の処理水と粒状汚泥の分離を簡単な濾材で行い装置をコンパクト化し、処理槽の高効率化を低コストで、維持管理が容易に行えるようにします。

[適用分野]
 ●食品工場等から排出される有機性廃水処理、農業・水産・畜産排せつ物処理
 ●生ごみや有機性汚泥可溶化液の処理

2.技術の概要、特徴

 本法は、食品工場廃水、ビール工場廃水や一般家庭の下水等の有機物を含む廃水を、粒状汚泥と濾材を備えた処理槽を用い嫌気的に効率よく分解させることにより処理する方法です。グラニュールを利用したUASB 装置は、非常に効率の良い技術です。従来の方法は、グラニュール・処理液・バイオガスを分離する装置を付帯していますが、グラニュールと処理液の分離は基本的にグラニュールの沈降速度に依存していましたので、バイオガスによるグラニュールの浮上等を考慮し、装置上部にグラニュールを充填しない液相部のスペースを大きく取る必要がありました。本法を実施するには、粒状汚泥を含む処理槽上部に多孔性の濾材を備えた処理水配管を設置し、濾材で処理水と粒状汚泥を分離した後、粒状汚泥を処理槽に残し処理水のみを処理槽外に排出します。従って、UASB装置内の処理水と粒状汚泥の分離に簡単な濾材を用いることにより、上部の液相部をコンパクトに設計できるという特徴があります。

3.発明者からのメッセージ

 本技術はシンプルな構成であるため、経済性の高いエネルギー回収型廃水処理装置となることが期待できると考えています。本特許をベースに、関心のある企業の方と濾材閉塞の問題など実用化を目指した研究開発ができればと思っています。

高効率UASB 装置 グラニュールの写真
図1 高効率UASB 装置 図2 グラニュールの写真


−エネルギー利用研究部門−
PDF(1.1MB:AIST TODAY Vol.4 No.7 p.23)

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