1.目的と効果
ダイヤモンド、グラファイトに次いで第3の炭素同素体であるフラーレン(C60)は、大量合成法が開発されて以来、その特異な構造、性質から種々の分野で注目されています。新規な物理的・化学的性質が期待される、フラーレンの炭素骨格の一部を、ホウ素及び窒素で置換したヘテロフラーレン(BNC58)の合成方法に関する技術を提供します。[適用分野]
●超伝導材料 ●超高硬度材料 ●非線形光学材料
2.技術の概要、特徴
フラーレンの炭素骨格の一部を異種元素で置換したヘテロフラーレンは、基本骨格であるフラーレン構造と比較して、理論計算によって超伝導、強磁性、耐食性、超高硬度性、非線形特性などの新規な物理的、化学的性質の発現が期待される興味ある物質であるにもかかわらず、簡便な合成法が開発されなかったために、その物性に関する研究は思うように進展しなかったのが現状です。レーザー光照射下にフラーレンがC2脱離反応を容易に起すことに着目して、KrFエキシマレーザー光照射下に、出発原料のフラーレン及び窒化ホウ素を共存させることによって、直接BN置換反応を起こさせて、BNC58を効率的に合成する方法を見いだしました。3.発明者からのメッセージ
フラーレン及び窒化ホウ素のヘキサン懸濁液を調製し、KrFエキシマレーザー光を室温下で照射するという簡便な方法で、BNC58の合成が可能となりました。本方法は他の異種元素を含む各種のヘテロフラーレンの合成にも応用できるものと期待されます。![]() |
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図1 BNC58の分子構造 |
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図2 BNC58の質量分析スペクトル |
図3 BNC58のXPSスペクトル |
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− 新炭素系材料開発研究センター −
PDF(196.3KB:AIST TODAY Vol.4 No.4 p.24)



