1.目的と効果
事故、疾病、加齢により失われた骨を再生するために、人工骨が利用されています。人工骨は、自家骨により充填・置換されうる多孔質であることが理想的です。従って、多孔質人工骨の孔の連通性は、最も重要な特性と考えられています。しかし、従来の人工骨製造技術においては、孔の連通性を高めることが困難であり、骨形成に寄与しない孤立気孔の混入が避けられませんでした。本発明は、骨形成に最適な場“完全連通孔ネットワーク”を、人工骨材料により構築する技術を提供します。[適用分野]
●人工骨 ●細胞培養担体
●細胞療法 ●注入療法
2.技術の概要、特徴
リン酸カルシウムセラミックス製微小ユニット(CP微小ユニット)の集積化により、完全連通孔ネットワークを構築する技術です。人工骨をCP微小ユニットに分割することにより、骨伝導能を発揮する直径100〜500µmの貫通孔を、各ユニットに確実に設けることができます。例えば、直径300µmの貫通孔を持つ、直径1mmの水酸アパタイト(HA)ビーズを集積化することにより、貫通孔とインタービーズギャップから成る完全連通孔ネットワークを形成することができます(図1)。ウサギ頸骨埋入試験においては、7日後に良好な骨形成が認められました(図2)3.発明者からのメッセージ
本発明のCP微小ユニットにより、どんな形状の骨欠損部分にでも対応する人工骨を提供することができます。しかも、それらは完全連通孔を持っており、自己組織の骨形成に関わる様々な細胞活動を、効率的に受け入れることができます。従って、速やかな骨伝導と人工骨材料の吸収を実現することができ、かつ材料自身に求められていた厳しい強度を緩和します。CP微小ユニットは、β-TCP等の他のリン酸カルシウムでも製造可能です。また、貫通孔は、骨伝導のみならず、細胞凝集塊担持、薬剤担持のための多用途構造として利用可能です。さらに、CP微小ユニットは、非観血的な手法により、骨欠損部位に注入することが可能です。上記メリットを活かし、本発明を、人工骨製造技術、及び硬組織再生治療として、臨床現場に普及させたいと考えております。![]() |
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図1 HAビーズと連通孔形成模式図 |
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図2 7日後に形成された新生骨 |


