1.目的と効果
本技術は、触媒手法による有機リン類(各種ホスホン酸エステル・ホスフィン酸エステル、ホスフィンオキシド類及び光学活性有機リン類)の新規高効率的な製造法です。リンハライド類を出発原料に用いない点に特徴があります。有機リン類は、合成化学的に各種合成試剤や錯体触媒の配位子などとして重要であるほか、抗生物質、重金属抽出剤とその廃液の処理剤にも広く用いられています。また、環境対応型難燃剤の一つとしても注目されています。その合成には、一般的に式1の方法で行われていますが、(1)毒性・腐食性の強いハロリン類を用いなければならない、(2)反応の効率が悪い、(3)化合物の精密合成が難しい等の問題があります。開発した本技術を用いれば、これらの問題点を回避できます。[適用分野]
●生理活性物質 ●光学活性有機リン配位子
●リン系機能性モノマー ●金属抽出剤、高分子難燃剤
●金属表面処理剤 ●歯科用材(グラスイオノマーセメントなど)
2.技術の概要、特徴
微量の触媒を用い、穏和な条件下、安価で取り扱いやすい水素ホスホン酸エステル[HP(O)(OR)2]、水素ホスフィン酸エステル[HP(O)R’(OR)]及びホスフィンオキシド[HP(O)R2]のアセチレン類・オレフィン類への付加が効率よく進行し、種々の有機リン化合物を高選択的に与えます(式2)。触媒としては、パラジウムやロジウムに加え、安価なニッケルも高活性を示します。反応の位置及び立体選択性が完全に制御でき、目的化合物だけを選択的に発生させることができます。無溶媒反応も効率よく進行するので、容易にスケールアップが可能です。生成物の収率は通常90%以上、選択性は95%以上です。3.発明者からのメッセージ
本技術は、我々が世界に先駆けて開発した、安価・安全な原料を用いる有機リン類の高効率的な製造法です。また、最近安価で高活性触媒の開発にも成功していますので、有機リン類をかなりの低コストで製造することが可能となりました。既に学界などで高く評価されていますが、今後実用化のため、企業との共同研究を行いたいと思いますので関心のある方は是非お問い合わせ下さい。![]() |
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式1 現在用いられている有機リン類の合成 |
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式2 開発した触媒的製造方法 |


