1.目的と効果
大面積超電導膜は、(1)超電導から常電導への瞬間的転移を利用した限流器等の電力機器や、(2)マイクロ波(GHz)領域での低損失性を利用した携帯電話基地局用フィルタ等のエレクトロニクスデバイスへの応用が有望視されています。これら機器やデバイスの実現のためには、超電導状態で流せる電流が大きい超電導膜を安価に提供できる技術の開発が期待されています。そこで低コストで量産化可能な溶液プロセスにより超電導膜を形成する技術を開発しました。この技術(塗布法)は種々の形状、サイズの支持体にも適用できるため、電力輸送用の送電ケーブル等への応用も期待できます。[適用分野]
●SN転移抵抗型限流器 ●移動体通信基地局用フィルタ
●送電ケーブル
2.技術の概要、特徴
金属を含む有機化合物を加熱すると有機成分が燃えて金属酸化物が残ります。これを利用して超電導体を構成する元素(イットリウム(Y)、バリウム(Ba)、銅(Cu))を含む金属有機化合物を溶媒に溶かし、この溶液を基板に塗って熱処理することで超電導膜を形成することができます。この方法は、高価な真空装置を必要としませんので低コストなうえ、大面積化・量産化が容易という特徴をもっています。3.発明者からのメッセージ
この方法の原理は簡単ですが、どんな有機化合物を使っても高品質の超電導膜ができるわけではありません。産総研では、均一な塗布溶液の作り方や焼くときの温度や雰囲気の最適条件を詳細に検討してきました。最近では30cm×10cmという世界最大級の超電導膜をこの方法で作ることに成功しています。![]() |
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図1 塗って焼いて作る超電導膜 |
図2 塗布法で作った各種サイズの超電導膜
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