1.目的と効果
赤外線放射型の暖房装置では熱放射材料からの赤外線によって対象物を直接加熱します。波長8〜13µmの赤外線は大気をよく透過することが知られており、この波長の赤外線だけを利用することができれば、大空間においても効率的な直接暖房が可能となります(図1)。そこで、波長8〜13µmの領域でだけ選択的に放射率が高い熱放射材料を開発しました。[適用分野]
●工場等の広い空間または駅のホーム、野球場等の開空間での効率的な暖房
2.技術の概要、特徴
波長選択型熱放射材料は、例えばガラス基板上の金属と一酸化ケイ素の薄膜によって作ることができます。一酸化ケイ素は、8〜13µmの波長領域の吸収係数が特徴的に大きいので、膜厚を最適化し、裏面にアルミニウム等の反射率の高い材料を用いることによって、この波長領域でだけ選択的に放射率が高い材料を得ることができます。図2に試作した波長選択型熱放射材料の放射率の実測値を示しました。特徴的に8〜13µmの波長領域での放射率だけ大きくなっていることが分かります。3.発明者からのメッセージ
波長選択型熱放射材料は、特定の波長の赤外線だけを放射するようにしたもので、特に距離のある対象物の加熱により効率的な暖房を可能にするものです。一酸化ケイ素は光学薄膜材料としてよく用いられ安定しており、薄膜作製も容易です。後は、具体的な製品に合わせて構造の最適化、大型化を行い、耐久性等を調べる必要があります。多様な具体例が期待されますので、目的に合わせた共同研究が可能です。![]() |
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●図1(上):波長選択型熱放射材料の機能 |


